デジタルマーケティングの「新様式」

まあ正直「新様式」ってのはちょっと流行りに乗っかってみた感じです。

Going Back To Basic

今年の夏以降、iOS14のリリースから各社の波状攻撃のような機能アップデートもあり、追いつくだけでもいっぱいいっぱいの状況になってきておりました。まま確かにそれぞれのアップデートに追いつくことも大事なんだけど、それでも最近強く思ってしまうのは「Going back to basic」ってことで、一言で言えば「基本に帰ろう」ってことなんですよね。

無論ITPなりCookie規制にまつわる新しいテクノロジーを理解するのはプロとして当然だと思うんだけど、実際にマーケティングの現場でできることって「ユーザー行動を考える」「市場を考える」「施策を考える」っていう今まで通りやってきたことをやるしかないと思うわけです。

Cookieに限らず、テクノロジーの進化はデジタルとマーケティングにおいて新しい技法や考え方をもたらしてきました。そしてその新しい技法や考え方をいち早く習得することが代理店や広告主における一種のアドバンテージだったこともある一定の事実でしょう。そういう姿勢が重要だというのは今後もある程度変わらないと思うけれど、市場変化が激しい今だからこそやっぱり「基本」に立ち返って「ユーザー行動」なり「市場」なり「戦略」なりの理解力、つまり「手段」以前の思考力の部分でも差がついてしまうのは多分間違いないんだろうと思っています。

「広告」と「非広告」って分けちゃってません??

とまあ、そんな「基本に帰ろう」っていう話の中で、個人的に主張したいのは「広告と非広告を分けて物事を考える風潮」ってやつなんですね。これは事業主側にも代理店側にも言えることなんだけど「うちは広告だから云々」とか「あの部署はデータだから云々」っていう意味のない縦割り、ありますよね?

まあ、気持ちはわからなくもありません。だって自分のメインの業務に比べればそうじゃないところの関心は低くなってしまうのはある程度仕方ないことだとは思うので。ただ、それって「マーケティング」という文脈で物事考えてないよね、とは痛切に感じてしまいます。

なんで「広告」と「非広告」を分けちゃいけないの?

まあ、どうしても分けて考えたいなら分けてもいいのかもしれません。

ただちょっと考えてほしいんです。冒頭に書いたとおり、プライバシーへの配慮なりITPなりCNAMEなりAレコードなりという話が矢継ぎ早に出てくる中で「これから間違いない手法」なんてのはそもそも誰もわからないんです。

「iOSが14になりました!これから先どうすればいいですか?」なんて言われても、そりゃ御社の現状や市場なりユーザーの行動なりを考えないと何が合理的な答えかなんてわからないし、そのときに「広告だけ」とか「Socialだけ」とかっていう自分の専門分野バイアスにとらわれてしまうことがどれだけリスクか、ってことなんですよね。

もちろんリスティングでもDSPでもデータでも、自分の専門性はとっても大事なのは認めるところなんだけど、それを理由に他分野の情報収集をシャットダウンしてしまうのは、実にもったいない。むしろこの変革期ならではのごちゃごちゃ感をうまく利用して、今までの専門性にプラスアルファしていったほうが良いんではないかな、とsembearとしては思う次第です。

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