変態的にデジタルマーケティングが好きな2人がポテチをツマミに世を語る。深いんだか深くないんだかわからない、デジマトーク。正解は、ないのだからこそおもしろい。あれやこれやと考えてみるのがおもしろい。毒舌も脱線もご愛嬌。それでは、後半戦の始まりです。
コロナでの消費者行動変化についてあれこれ語っている、vol.1はこちら
テレワークって定着するのかしら?っていうのが気になっていて、なぜかというと広告を見るタイミングとか視聴態度が変わるからなんだよね。
治田:日本のいわゆるモバイル広告、特にiモード時代・ガラケー時代から諸外国に先駆けて日本で拡大したっていうのは、東京を中心とした「電車通勤」っていうのが背景にあったからっていうのがあると。
小林:なるほどなるほど、あーそうですね。みんな見てるから。
治田:そうそう、みんな見てるから。で、実際にSocialの広告とかまぁ、いろんなアドネットワーク系も含めてなんだけど、恐らく電車からアクセスして広告を見てるっていう人が相当いたはずなので、
小林:うんうん
治田:それが結局、特にiモード時代、日本では爆発的に普及してガラケーの広告商品がたくさん出来たし今の日本のモバイルのスペンディングの結構な割合が通勤時間とかのアクセスだと思うんだよね
小林:そうでしょうね、そうでしょうね
治田:で、その通勤っていうのが、この先リモートワークとかテレワークっていうのが、もし定着するならば、そこら辺のユーザー行動の変化がやっぱで業界に与える影響って少なくないんじゃないかなと。
小林:ああ、なるほどね。確かに、それはあるかもしれないですね。
治田:うん
小林:あの、なんでしょうね。そう、ユーザー変化、それはすごくある。きっかけがないんですよ。通勤時間がなくなって、スマホを見るきっかけっていうのがなくて。
治田:うんうん
小林:あとその「通勤時間」という限られた時間の中で見るから、無意識的にせよやっぱり集中している分、ちゃんとしたいろんな情報に目が行くし、
治田:そうそうそう
小林:今だっていろんな記事を見たいと思うかもしれないんだけど、何だろうな暇つぶしの程度で見るしかないので
治田:完全にそうですよね。
小林:そう、それこそ、そういう意味では、例えばスマホの広告とかが出てた時に、面白いなあと思って見るとは思うんですけど、
治田:うんうん
小林:ただやっぱり何だろうその広告の、スマホの情報の「ありがたみ」ってのが薄れている気がしていて。だから、結局最後までコンバージョンしないだろうなって。なんでかっていうと頭に入らないからなんでしょうね。「あ、おもしれーこの商品」で終わるんですよ。
治田:そうね、それあるよね
小林:やっぱりあの通勤時間とか限られた時間の中で見るから、これいいんじゃない?じゃすぐ買わなきゃ!っていうアクションにすぐ行くというか
治田:その電車の中で見てたりとかすると、やっぱその限られた時間の中で、何かしらのその行動が「そこの時間の中で完結する」っていうベクトルが働いてるはずなんだけど
小林:うんうん
治田:結局、今のダラダラ見っていう背景になっちゃうと、そういう風にならないんじゃないかな。って思ったりして。
小林:そうそうですよ。
治田:そうするとその時に、スマートフォン系の広告のスペンディングとか、広告の使われ方っていうのが変わってくるんだろうなってちょっと思ったりしててね
小林:やっぱり限られた時間の中でスマホを見るっていうんで、みんな集中しているから見つけた情報を頼りに、もっと探りたいとかでずっと集中して見てる
治田:うんうん。で、そういう限られた時間の中で集中して探っている状態だとクリエイティブのフォーマットもやっぱ Call to Action みたいなのも大事ではあるんだけど
小林:うんうん
治田:ダラダラ見とかとか、まあそういう本当に画面に集中していないんだけど見ているっていう状況になってくると、むしろそのまあCall to Action的なものよりも、
小林:うんうん
治田:もうちょっとその表現力のあるみたいなものとかが、そのフォーマットして大事になるのかな、というのもちょっと思って
小林:うん、そうだと思います。その限られた時間の中でアクションしなきゃいけないって思うタガが外れた場合に、どれだけその人を惹きつけられるかだと、
治田:そうそうそう、そゆことそゆこと
小林:そうですよね
治田:うんうん、そうなってくると今なら15%オフみたいな話、それはありではある。目を引くという意味では。
小林:うんうん
治田:ただ、もっとクリエイティブのメッセージングとかタッチポイントの設計として、今までこのダイレクトレスポンスだっていう風に見てたものっていうのが、実はダイレクトレスポンスが達成される背景にあったはずの「制限時間」っていうベクトルがなくなっている可能性があるんで
小林:そうですね
治田:そうすると、やっぱりその広告のそれぞれのまあいわゆる、数値系つまりインプレッションとかクリックあたりっていうのは変わってくるんじゃないかなと。それに合わせてやっぱ試行錯誤した方がいいんじゃないかなっていう気がするんだよね
小林:広告をね、ゆっくり見る時間も増えると思うんですよね。例えば youtube とかも限られた時間の中で動画を見るのではなく
治田:うんうん
小林:自分の見たいものを、次じゃあこれ見ようかな、次これ見ようかなっていう時にも、いつもより「早く早く!スキップスキップ!」っていう風にならないと思うんですよ、いつもよりは。「良いクリエイティブ」であれば。前は、良いクリエイティブであったとしても、やっぱり限られた時間だから飛ばすんですけど。
治田:そうね、そうなんだよね
小林:別に見たっていっかってなるわけじゃないですか、ゆっくりしてるから。だとすると、やっぱり良いクリエイティブ作るっていうのはこの withコロナの部分ではすごく大事だなと。
治田:やっぱ、ストーリーがあるとかね。
小林:そうそう。でね、「最初の5秒が大事です」って言うことがまぁ結構提唱されてますけど、もしかすると違うんじゃないかなぁと思ってて。
治田:なるほど
小林:実はこう段々盛り上がってく動画を作ってもある程度見てもらえるんじゃないかなって。ダラダラ見が背景の今だったら。
治田:うんうん。テレビもさ、これだけandroid 対応とかしてくると、テレビで youtube を見るとかっていう話も当然あるし
小林:うんうんうん
治田:で、家で仕事をする以上、電車には乗らないというところでいくと、そのスマホのちっちゃい画面で広告を見せられるっていうストレスかもきっとないから
小林:うん、そうですね
治田:そういうところはきっとね、消費者行動としてこの先レポートとか数字に反映されてくるところじゃないかなって思う。
小林:そうですね。
治田:あとはさ通勤ていうのが、withコロナでまぁ変わろうとしていて、ユーザーのその「テレビ」っていうデバイスに対する期待っていうのは、情報の取得の仕方っていう意味で変わってきているよね
小林:変わってきてますねやっぱり。テレビをつければ、まぁ今ならつけておけば自分から調べにいかなくてもコロナの情報がある。だからテレビで、コロナウィルスについてのニュースを垂れ流しながらまあスマホで動画とかを見るとか、やってるかもしれない
治田:うんうん
小林:まあ僕の家とかそうなんですけど、例えばテレビのニュースを見ながらマスクどこで売ってるかって調べたり。
治田:若い世代はテレビ持ってなかったりもするけど
小林:テレビを持ってない若い層とかは、コロナの情報を取りにいくっていうことをしているんじゃないですかね?テレビがなくて勝手に入ってこないから。そのときに広告というか余計な情報は入れないようにしようというか。そういう情報の取得のマインドは変わってそうですよね。普段よりも
治田:なるほど、そうだね。でさ、ここまで話したようにユーザー行動やメディアの視聴態度が変わるわけで、
小林:うんうん
治田:そうなるとクライアントさんはさ、そういう変化踏まえて、やっぱこのご時世だからこそ、デジタル上のタッチポイントっていうのを強化する、または見直すっていう話はあるはずだよね
小林:もちろん、そうですね。
治田:で、その時に代理店としてはどういう所が提案のキモになると思われてます?
小林:ああああああ、なるほどね。僕はねストーリー作り、つまり顧客体験をどう作るか、っていう点だと思うんですよ。
治田:なるほどなるほど
小林:やっぱりこれまで話してきたように、お客さんの行動が変われば、タッチポイントが変わるわけじゃないですか。
治田:そうですね
小林:で、今だと実店舗というタッチポイントが難しくなってて、当然その生で触れていたものが生で触れられなくなる。
治田:うんうん
小林:だから、生で触れた時に得られてた感動とか、その機能性をどうやって伝えるか。生で触れられないがゆえに、そういうストーリーが絶対、重視されると思っていて
治田:うんうん、そうですね
小林:まあなんかね、あのよくインスタでも「シズル感」とか言われてるわけですけど、シズル感を感じ取って、でもそれを手元で生で見れないわけですよってなった場合に、
治田:うん
小林:シズル感を感じたものをどうやって美味しく食べたらいいかって動画で紹介して、例えばそれをすぐ ECで買えます。っていう、その「おいしく食べられるっていう頭の中のイメージ」があるまま、まっすぐに買えるっていう、そういう one stop で行けるっていう、そういうストーリーづくりですよ。
治田:うんうん。
小林:それが大事だと思ってて。
治田:そういう意味ではさあ、あのなんか特にテレ東とかで昔やってたさあ夜中の通販みたいなね
小林:あーーそうですそうです!
治田:ああいうのは大事だよね。LIVEコマースね。LIVE感。
小林:そうそうそう
治田:あーでもそうだよね、例えばアパレルの店員さんとかが、そのライブコマースでこれとこれを合わせてこういう風に着ると良いですよね!ってことを、やっぱ心くすぐる感じたっぷりに伝えて、その動画を見たらすぐ、 BUY NOWに行ける、みたいな
小林:そうそうそうそうそう
治田:多分そこまでその顧客体験っていうものをやっぱデジタル上で突き詰めていくっていう、やっぱそこになっていくんだよねきっと
小林:そうそう、そうだと思いますよ
治田:で、そこのユーザー体験のストーリーが出来ないままに、なんか変にキレイに見せる、とかっていうところにこだわるんじゃなくて、ユーザー目線で、どういうストーリーになればユーザーが動くかっていうのをきちんと組み立てて、そういう風にマーケティングを考えないとって思うんですよ
小林:うんうん、そうだね
治田:だから結局、本質論としてはやっぱユーザー目線であり、その上でのタッチポイントを考えて、そこのストーリーテリングっていうのを考えて、っていうそれはwithコロナでもAfterコロナでも、っていうかBeforeコロナでも基本変わらないのよね。
小林:変わらないです変わらないです。
治田:ただ、ユーザーの行動に合わせて、そういったものを状況に合わせて、きちんきちんと作っていきましょうっていうそういう話なんだよね。
小林:そうですね、withコロナはその「リアルな世界」が使えないっていう条件がつくゆえのストーリーテリングを考えなきゃいけない。っていうだけであって、ストーリーを考えるのは別にいつでも同じで、条件が変わるだけ。
治田:そういう意味ではやっぱり、顧客体験のストーリーを作って、そのストーリーを伝える。何より仕掛けだよね。今までは、専業代理店だと、実店舗とかオフライン含めてとかっていうなかなか難しかったけど
小林:そうですね。デジタルの専業代理店の人だと、やっぱりそこらへんのストーリーを考えるときって、やっぱり「デジタルの世界だけ」で考えがちかなと僕は思っていて。
治田:うんうん
小林:このやっぱりwithコロナの時ってそういうのを、あの当然今までリアルの世界でやってたものができなくなる。それをデジタルで再現しなきゃいけないっていう風に、「場面が変わった。」ってことを考えると。デジタル専業の人たちが、そういう「デジタルの外」を考えるきっかけになる。
治田:そうだね、そうだね。
小林:そう、デジタルの世界の外の世界を、デジタルの中でやらなきゃいけないって時に、外ってどうだったっけ?って絶対調べるじゃないですか。そういう風に考えてみるのは、僕はそれは専業の人たちからしたら、すげーいいきっかけになるんじゃないかなぁと思っていて
治田:うんうん。なるほどね、つまり、これから先デジタル専業に求められる「期待」っていうものも、大きくなるよね
小林:うん。おっきい、おっきい。大きくなると思いますよね
治田:だからこそ、このBlogを読んでくれているであろう、デジタル専業代理店の人たちは是非オフラインまで見据えて、大きな未来を作る原動力になってほしいな、と思うんだよね。きっと世の中もそういう期待をしているんじゃないかな、と。
小林:そうですね。それは我々も頑張らないといけないところですよね。
治田:というデジタルマーケティングに従事するすべての方へのエール、という感じでしょうか。今回の締めは。
小林:おお、きれいにまとまりましたね!
Special Thanks!!
インターネット広告代理店にてキャリアをスタートさせ、当時最新のDSPによるディスプレイ広告運用チームを立ち上げ、チームリードとして従事。その後大手コンサルティング会社へ入社、デジタル分野への進出するプロジェクトに従事。その後は、大手日系テレコム企業のハウスエージェンシーへ転じ、旧来のマス広告中心の代理店ビジネスからのデジタルトランスフォーメーションを推進。外資系DSP企業の日本法人立ち上げに従事。
デジタル広告の黎明期(2000年代)から一貫して提案・運用・組織開発に携わり、運用型ウェブ広告及びアドテクノロジーの活用に関するコンサルタントとして活躍してきた。2018年に入社後はクライアント企業のデジタルマーケティング活用のための組織開発・仕組みづくり・運用体制構築等のコンサルティングをリード。