情報が氾濫するトップページを改善せよ/宇都宮市広報広聴課の事例



sembear合同会社では、2022年1月より宇都宮市広報広聴課のデジタルを活用した「攻めの情報発信」の実現にむけたアドバイザリー業務を実施しています。市民の方に情報を届けるべく、日々奮闘されている宇都宮市広報広聴課の皆様の取組みをご紹介致します。



「目的の情報が見つからない。」皆さんはそんな場面に出くわしたことはないでしょうか?それがショッピングサイトなら、他のサイトで買い物をすればいいかもしれませんが…自治体のウェブサイトではそうは行きません。本日は「自分達のウェブサイトで情報を探しやすくするには?」という課題に挑む宇都宮市広報広聴課の皆さんの取り組みをクローズアップ!


自分達のウェブサイトは使いづらい!?

最初に話題にあがったのは、「市政に関する世論調査」の話でした。ホームページで知りたい情報は探しやすいかについての質問に、「どちらかといえば探しにくい」「探しにくい」と回答した人が全体の約3割を占めていたのです。

市政情報の特徴として、生活や生命に密接な関係にある情報が多くあります。そのため、市民の方が情報を必要とするタイミングで、適切な情報を受け取れることが重要です。たかが3割、されど3割。情報を探しやすいウェブサイトを提供することが、市民の方のQOL(Quality of life)の向上に繋がるといえるかもしれません。

情報が氾濫していませんか?

ウェブサイトが使いづらいと回答した約3割の市民の方への情報伝達をどのように確保するのか?広報広聴課の皆様が最初に取り組んだのはトップページの情報整理でした。


特に注目したのはコロナ関連情報です。当初、宇都宮市では全てのユーザが情報を簡易的に取得できるようにしたいという意図で、トップページにコロナ関連情報を一覧で表示していました。しかし、情報が日々更新されることや、CMSの仕様により情報を上手くカテゴライズできないことから、トップページにコロナ関連情報が氾濫する状態が発生していました。

トップページから「コロナ情報のまとめページ(図3)」に遷移すれば、コロナ情報がすべて取得できるようになっていましたが、「情報の氾濫により「コロナ情報のまとめページ(図3)」への導線が機能していないのでは?」という疑問を抱いたのです。(図4)

では、実際に数値で見るとどうでしょうか?弊社でGoogleアナリティクスを使って調べてみたところ、当初のトップページから「コロナ情報のまとめページ」への遷移は全体の1.34%しか発生していませんでした。1.34%!?…ん!?少なすぎるのではないか!?

そこで、宇都宮市広報広聴課では「氾濫した情報を整理すること」「コロナ情報のまとめページを機能させること」を目的としてページの修正に挑んだのです。 

情報への導線を確保せよ!!


ではどうすればいいのか…?宇都宮市広報広聴課では、「コロナ情報のまとめページ」へのリンクバナーを挿入しました (図5) 。


氾濫していた情報がだいぶスッキリした印象を受けるのではないでしょうか? 改善後の数値を見てみましょう。


改善後は、トップページから「コロナ情報まとめページ」への遷移率が上がり、また、「コロナ情報まとめページ」から次のページに遷移数が上昇していることが分かります。目的の情報へスムーズに遷移していると推測できます。

改善前に目標としていた、「氾濫した情報を整理すること」「コロナ情報のまとめページを機能させること」に沿った改善が行われたと言えます。

デジタルって面白いのです

デジタルがとても面白いと思う点は、誰もが数値を元に課題を抽出し、仮説を持つことができることだと思います。数値をもとに自分達の視点から問題にアプローチし、PDCAを繰り返すことで最適解を導き出すことができます。

実際に、宇都宮市広報広聴課の皆さんは、市民の方への「伝わる広報」の実現に向けて、ページの遷移率や離脱率の改善を目標として、自分達でページの改善を実施されています。

もちろん、CMSの操作等で外部にお願いする作業はありますし、仮説立てのお手伝いや、数値の検証は弊社でもお手伝いをさせて頂きました。しかし、宇都宮市広報広聴課の皆様がサイトを利用する方のことを考え、何が求められているかを考えたからこそ、結果として数値に変化があったのだと感じています。

市民の方に情報が伝わることに重きをおく市政という分野だからこそ、数値をもとに最適なコミュニケーション手段を追求できるデジタルは非常に有効な手段として機能するのではないでしょうか?

sembear合同会社の想い

宇都宮市広報広聴課の皆様の事例で述べたように、デジタルは誰もが簡易に取り組めるものであることは間違いありません。「なんだこんな簡単な話か!」と思った方も多いのではないでしょうか?しかしながら、最適な使い方を身に付けるには、基本的な知識や経験値の積み重ねが必要であることもまた事実として存在しています。そして組織内でデジタルを推進するには知識や経験を言語化するだけの力が必要なのです。知識を踏まえ、積極的に結果を改善し、絶えず周囲に発信していけることが組織内のデジタル推進において大変重要なことなんだと思います。

弊社では創業以来「デジタルマーケティング人材の育成」をビジョンに掲げて取り組んできました。広告代理店から一般企業・地方自治体までデジタルマーケティングに取り組む皆さんの実践から組織での推進までを数多くサポートさせて頂いております。

「デジタルマーケティングを始めたいけど…何をすればいいかわからない…」「積極的にとりくんでいるけどなかなか結果に繋がらない…」。そんな時は、ぜひ弊社までご連絡ください!皆さんのデジタルマーケティングの正しい最初の一歩をお手伝い致します。