広告代理店のコンサルタントに大切な三つの心

運用型広告のコンサルタントに必要な心構え

目次

One on One研修の源流をたどる旅

弊社は広告代理店さん向けや一般の事業会社さん向け、そして地方自治体様向けなど、様々な方に向けた「デジタルマーケティングの人材育成」のサービスを提供しています。その中でも弊社の看板商品(?)というべき研修サービスが「広告代理店さん向けOne on One研修」です。

実は弊社が創業する以前より、代表の治田の個人事業として「広告代理店さん向けOne on One研修」がsembearのサービスとして提供されていました。2020年に「sembear合同会社」として法人化されてからも、2012年のスタート以来毎月欠かすことなく広告代理店の運用型広告コンサルタントの方に対してOne on Oneを続けています。その受講者数はすでに100名を超えており、受講者の方から暖かい感想の言葉をもらえることも多い、弊社としては本当に事業のコアになっているサービスです。

そんなOne on One研修ですが、実は一番最初に提供をさせていただいた広告代理店さんの、また第一期の受講生の方から「研修」の依頼があり、さながら「One on Oneの源流をたどる旅」とでもいいましょうか、先日沖縄まで行ってまいりました。

One on One研修で心掛けていること

10年前から提供しているこのOne on One研修ですが、10年前と今とではやっている内容は全く異なります。例えば10年前であれば運用能力をチェックする媒体はあまり多くありませんでしたし、ITPの話もなかったので技術要素についての項目もほぼありません。

ただ、そこから媒体が増え、ITPなどのCookielessも始まり、DMP/CDP/DCRなど様々なツールの活用の必要性が高まることで、研修で使うチェックシートの改変があったり、そもそもOne on One研修のコマ数も元々全六回のOne on One研修だったものが全八回になっています。

というように、いろいろ変わっているOne on One研修ですが、実は変わっていないこともあります。それは「常にクライアントに対して理想解を考える研修である」という点です。これはあくまで研修講師としての心構え、ということも事実ですが。

ほとんどの場合、広告代理店からの提案は「現実に実行可能なもの」になります。それ自体を否定することはまったくありませんが「本来であればここまでは提案したい」という理想解があって「現実解」に落とし込めていることと、初めから現実解しか考えられていないことはコンサルタントの成長としては大きく差があるのです。

クライアントの事業を拡大する提案

現実的に今できる提案そのものが何ら悪いわけではありません。それでクライアントの課題を解決し事業を拡大できるなら否定する論拠は何もありません。ただ、コンサルタントの成長という観点から言えば「今自分ができること」だけを提案することにつながりかねません。そしてそれがまさしく「成長の足かせ」になると個人的には思っています。

はっきり言えば、実は運用型広告のコンサルタントの成長が停滞する理由は「今自分ができること」に満足することからくる「成長意欲の喪失」だったりするのです。日々の提案において、自分ができることで解決できることが多くなることは本当に大切なことですが、同時にそれは提案のマンネリ化につながりますし、なにより「次に何を学べば成長できるか」というモチベーションの低下につながります。でも、実は「次に何を学べば成長できるか」っていうのは意外なところに隠れているものなんですね。(はっきり言えば隠れているわけでもないのですけど)

それは媒体の幅であったり、技術に対する知識であったり、ツールに対する理解を少し深める、というありふれたものであったりします。でもそれを知って、考えて、言語化して、提案するだけで「自分ができること」が増え、成長につながるのです。そのためには「今(自分が)できる現実解」だけを考えるのではなく「クライアントの事業を拡大するために何が最も理想なのか」を落とし込んだ「理想解」を作る体験が必要なんですね。

コンサルタントに必要な心構え

そういう意味で、運用型広告に携わる人間であれば、常に心においてほしい三つの「心」があるな、と最近資料に落とし込みました。

野心

まず健全な野心が必要です。これは給料を上げてほしいとか出世したいとかという話ではなく、まず自身の成長を成し遂げたい、という思いです。まずこれが無ければ始まりませんし、野心が多くくなった結果、ある意味での自信過剰も成長のプロセスとしては必要でしょうし、そういった自信過剰な姿勢を真正面から叩き潰すのも弊社One on One研修の一つの特長です!

好奇心

世の中は本当に多種多様です。運用をする上で想像もしなかったようなクライアントに直面することもあるでしょう。その時に必要なことは「自分が知らない世界を恐れない心」である「好奇心」です。これは「自分が知らない媒体」であったり「自分が知らない技術領域」であっても同様です。常に変化をし続けるデジタルマーケティングの世界だからこそ「知らない世界に飛び込む楽しみ」を支える「好奇心」を大切にしましょう。

探求心

好奇心と似ていますが「知らない世界を知る」というよりは「知っている世界をより詳しく知る」心構えだと思ってください。ちょっと知っただけですべてを知った気にならない謙虚さ、と言い換えてもよいでしょう。これは特に技術領域で顕著なのですが一口に「タグ」や「Cookie」というだけではなく、それが「具体的に」説明できるようになることで提案の幅が実は広がります。言い換えれば「自分ができないと思い込んでいただけで実はできる」ことって意外に多いんですよね。

スキルという器を満たすために

以上の心構えがあることで、同スキルが成長するかを絵で表したものが下のスライドです。

運用型広告のスキル向上の図

スキルとはいわゆる「器に入った水」だと考えてください。その器は今は空っぽですが「野心」という成長意欲があることで水が入り始めます。探求心と好奇心が器の容積を左右します。探求心が低ければ「底が浅い薄っぺらな提案」になりますし、好奇心が低ければ「個別の箇所しかわからない井の中の蛙」になってしまうわけです。

One on One研修の導入について

以上のような心構えも踏まえ、弊社のOne on One研修は「運用型広告のコンサルタント」の成長を10年間支援し続けてきました。もちろん高度な技術知識や数値の解釈といったテクニック論も含め、非常に密度の高い研修となっております。

残念ながら弊社としても実施できる人数に限りがある研修ではありますが、先々も含めてご検討いただけるようであれば、是非お問い合わせフォームよりご相談くださいませ!