改めて活用したい基礎技術「パラメータ」

アドテクノロジー

パラメータ、使いこなしてる?

アドテクノロジーの縁の下の力持ち「パラメータ」

さて、いきなり唐突な書き出しではありますが、皆さんは「パラメータ(Query Strings)」ってご存じですか?このBlogを読んでいただいている方であれば、Google Analyticsの計測で使われる「UTMパラメータ」という言葉で耳なじみがあるかな、とは思います。

ただ、いろんなところで研修をやっていると、結構たくさんの人が「パラメータ」のことを「効果計測で使われるやつ」という理解になっていて、それって結構もったいないことなんですね。

今日はこの「アドテクにおける縁の下の力持ち」的存在の「パラメータ」って解説をしたいと思います。

そもそもパラメータとは

さて、まずはパラメータの基本についての理解をしておきましょう。いわゆるネット広告・デジタルマーケティング界隈における「パラメータ」とは基本的には以下の通りです。

(1) URLの中に含まれる?で始まる文字列のこと

(2) 複数のパラメータが存在する場合には&でつなぐことで複数のパラメータを記述することが出来る

他にもちょっと書きたいことはありますが、まずはこの二点を基本中の基本として理解しておきましょう。実は多くのウェブサイトやブラウザでは?で始まる文字列が含まれていても、ブラウザでは「?の前のアドレス」のページを表示する、というルールになっていることが多く、したがって特定の広告から訪問された場合に、特定のパラメータをURLに付与することで、その特定の広告から来訪してきた、という「しるし」として利用するわけです。これがUTMパラメータの基本的な理解です。

ただ、実は上に書いた理解というのは「パラメータ」の一側面だけであり、非常に狭い理解になります。そしてそういった理解だと実は結構危険なことが起こるのも「パラメータ」の特徴です。

効果計測だけではない「パラメータ」の活用方法

そもそも「パラメータ」とは日本語に訳すと「変数」となります。つまりちょっと見方を変えると効果計測用のパラメータとは効果計測用の変数なんですね。ちょっと難しくなるかもしれませんが、UTMパラメータはそれぞれの広告について設定される値です。つまり広告ごとに異なる値が設定されます。もしこれがすべての広告で同じ値になるのであれば、それはもはや「変数」ではなく「定数」となります。

ではこの変数ではどんなことが出来るのでしょうか?一つには上に書いたように広告の計測用の「しるし」としての活用が可能ですが、本当はパラメータっていろんなことが出来るんです。

その「いろんなこと」の中でまず一つ理解をしておいてほしいことが「パラメータを基にページの表示を変えることが出来る」ということと「異なるツール間でデータを連携させることが出来る」ということです。

1. ページの表示内容を変えることが出来る

まず一つ目です。とある旅行サイトをイメージしてみてください。皆さんは旅行先をその旅行サイト内で検索をします。どこでもいいので実際に検索をしてみてほしいのですが、検索結果のページに「?」で始まる文字列が含まれていませんか?

上にも書いた通り、パラメータは「変数」です。実はサイト内検索の言葉って「パラメータ」になってURLに含まれているんですよね。ちょっと数学が得意な人であれば「変数Xに値を入れるとYが決定する」という関数や方程式の話を思い出してみてください。URLに含まれる「?」で始まる文字列に「ある検索語」を値として入力することで、ページの表示が決定する仕組みだと考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。

2. 異なるツール間でデータを連携させることが出来る

そしてもう一つ、これは実は広告運用をしている人であればすでにおなじみの「gclid」とかというやつがそれです。詳しく説明をするとなかなか長くなってしまうのですが、最近の広告媒体は広告をクリックした後にgclidやyclidなどのパラメータをランディングページに自動的に挿入します。

実はこの仕組み、広告媒体上で発生したクリックと来訪したウェブサイト上でのユーザー行動を紐づける、つまり異なるツール(ここでは広告媒体とクライアントのウェブサイト)でデータを連携する仕組みの一環として使われています。ちょっと説明としてはざっくりとしていますが、効果計測用のパラメータではあるものの、少し高度な使われ方をしている、というところで理解をしておくとよいでしょう。

パラメータには気をつけよう!

このように、実はパラメータって効果計測用のものではなくいろいろなところで使われているものだというところはお分かりいただけたかと思います。そしてこの特性を生かすとウェブサイト上でのデータ収集、GA4でのイベント設定、リターゲティングのリスト細分化など、実は広告運用でもちょっと高度なテクニックとして活用ができる便利なものです。もっと言えばGoogle広告ではValue Track Parametersという機能があり、これは計測でも配信でもデータ収集でも本当に使い勝手の良い、個人的にもお気に入りの機能です。

ただ、同時に気を付けてほしいところもあります。それは「パラメータは表示するページの内容を変えてしまうことがある」ということです。無論最近のサイトではあまり発生はしないのですが、それでも「ページの内容を変えてしまうパラメータ」と「効果計測用のパラメータ」が混在することで「ページの表示がおかしくなる」であったり「そもそもページが表示されない」ということだって起こります。上に書いたように最近は広告媒体が独自にパラメータを発行してランディングページに飛ばしてしまうこともあり「クリックされたけどNot Found」になっているケースもちらほらあります。

改めてパラメータを使いこなす重要性と、そのリスクをしっかり理解して、より高度な提案につなげていただければと思う次第です!

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