みなさん、こんにちは。デジタルマーケティングの人材育成を行っているsembear合同会社です。
今回は、鹿児島県南九州市さまで実施した『課長向け研修:デジタルマーケティングの重要性』についてお伝えいたします!
デジタルマーケティングの人材育成に取り組む鹿児島県・南九州市さま
現在、南九州市さまでは、企画課DX推進係さまを中心に全庁的なDXを推進しています。本当にかなり先進的です。
実は、デジタルによる先進的給付事務(スーパーファストパス)導入自治体として内閣府に認定されおり、全国で認定された自治体は、なんとわずか4市のみ!(大臣認定式の様子はこちら)
様々な申請を電子申請で対応できるように推進されており、また、文書管理や公会計で100%に近い電子決裁を実現することで、組織内の大幅なペーパーレス化を進めています!(個人的にも契約書の電子契約は、本当にありがたく・・・!とても助かっています)
入札登録はシステムに移行されていることも多くなっていますが、電子契約を導入されている自治体さまは、実際意外と少ないのでは?
さて、そんな南九州市さまでは、注目を集めたあのランキング・・・消滅可能性自治体への危機感もあり、全庁的に『情報発信もDX!』ということで、デジタルマーケティングの実践を加速させようと取り組んでいます。
―――改めて、今回の研修の目的や背景をお聞きしてもよろしいでしょうか?
『今や住民が自治体を選ぶ時代!そして主なデバイスはスマートフォン!』
ということで,デジタルを活用して南九州市を知ってもらい,興味を持ってもらう取組を進めるにあたり,まずは,かじ取り役である三役,課長がデジタルでの情報発信の重要性を認識し,職員の気づきや行動への理解と協力につなげることが今回の研修のキーポイントでした。
―――昨年、ホームページ担当者さまに向けて、ホームページ運用戦略セミナーを実施しましたがそちらを経ていかがでしょうか?
結果として職員の意識が変わり始めたと感じておりますが、実際に行動に移している職員はまだ少ないといえます。これから全庁的に,そして早急にデジタルマーケティングを推進できる体制を構築することを最大の目的として今回の研修を依頼しました。
―――ありがとうございます!
それでは、今回の課長向け研修がどのようなものだったのか?いってみましょう!題して「伝わる情報発信研修」〜選ばれる自治体になるには〜です。
自治体・課長向けデジタルマーケティング研修
そもそも、デジタルマーケティングとは?
研修の中では、まず「デジタルマーケティングとは」という定義から始まります。
デジタルマーケティングとは、デジタル上のあらゆる接点を使って、生活者の態度変容を起こしていく営みです。
今回は、この態度変容を情報発信の観点(プロモーションの観点)に絞って*お伝えしています。(*本来、『マーケティング』の範囲には本来4Pという概念が存在し、プロダクト・プレイス・プライス・プロモーションの4つの範囲を含みます。)
態度変容とは、生活者が情報を受けた前後で、考え方や行動を変容させていくことを指します。
- どこか良い旅行先ないかな?と探している人に、絶景の写真を見せて、「あ、ここに行きたい」と思ってもらう
- こどもと行けるイベントないかな?と思っている人に、こどもイベントの情報を見せて、「あ、参加したい」と思ってもらう
このあたりは、わかりやすい態度変容ですよね。
そうすると、『魅力発信系のものだけが大事なのでは?それ以外の部署は関係ないのでは?』と思うかもしれませんが、それは、全く違います。
水道管理・道路整備・子育て支援などは、市民のための公共サービスです。みなさんは、市民・町のためにこうした事業を行っていると思います。
ですが、その事業は市民からすると、市民に『伝わって』初めて、市民にとって『存在するもの』になります。そして、その事業に触れたり、良さがわかったりして『享受』して住む街への『信頼』に繋がります。
自分たちの発信したいことを、ただ発信するだけではなく、『この情報発信をすることで相手にどう思ってほしいのか?そのためには何を伝えるべきなのか?』と一歩立ち止まって考えていただければと思います。
「その市公式ホームページのページ」見つけてもらえますか?
みなさんの想像に難くなく、生活者は日々、情報に触れています。この情報が溢れかえる時代に、最初に考えるべきは、そもそも『見つけてもらえるか?』という視点です。
よくある誤解なのですが、『ホームページのページはあげれば見てもらえる』というのは、はっきり言って幻想です。
ホームページで情報を見つけて、そして情報を届けたいのであれば、必ず『どうやってこのサイトを、このページを見つけてもらうのか?』というホームページへの集客のことを考えなければなりません。
自治体さまのホームページは、これまで30以上のデータ分析をしてきましたが、70%〜80%は、検索エンジンからの来訪です。
つまり、Googleだったり、Yahoo!、Bingの検索エンジンを使って、何かしら知りたいことがあって検索をして、ホームページにやってきています。
ですが、そのときに奇妙な現象が起こることがあります。そう、載せているつもりなのに市民から『情報が載っていない』と言われるのです。
「住民票の取り方を調べてるのに、ホームページに情報が載っていない」
「いやいや、ありますよ、『住民基本台帳について』このページです。このページを見てもらえたら載っていますよ。」
・・・ちょっと考えてみてください。『住民票 取得方法』って調べて検索結果に出てきたページのタイトルが『住民基本台帳について』では、住民票について載っているとは想像できないのではないでしょうか?
この住民の方からすると、『見つけられない』のは『情報がない』のとイコールです。でも、みなさんはきちんと情報を発信しているのです。
みなさんが発信している情報が、きちんと市民の方に見つけてもらうためには、『市民がどうやってこのページを見つけるのだろう?』『検索するとしたらどういう言葉かな?』と想像して、ページのタイトルをつけ、ページをあげていくことが重要です。
課長向け研修で目指すこと・デジタルでの情報発信の機運醸成
今回の研修を通して、課長さんと職員さんがページをアップする際に、会話の中に「このページ、どう検索して見つけるんだろうね?」の会話が生まれるといいなと思っています。
そうした普段の何気ない一言が、デジタルの情報発信で『伝わる』ための確かな一歩だと思います!
今回の研修では、他にもデジタルマーケティングの取り組みについて事例を用いて解説し、デジタルマーケティングに取り組む重要性や今日から出来ることをお話させていただきました。
受講いただいた課長のみなさまからの感想はこちら
あらためて,情報発信の在り方が大切。自分たちが検索エンジンでほしい物や食べ物を探す気持ちで,単語を入力するように,市のHPの情報にたどり着けるよう,タイトルを変更し,内容も与えるものでなく,欲しいものが欲しい人にヒットするよう作らなければならないことを感じた。全職員で考え直し取り組むべきことだと思いました。
タイトルの見直しは必要と感じた。併せてホームページそのものの内容更新や内容充実、見やすいホームぺージへの変更なども進めないといけないページも多いのではと感じた。
市民目線=自分が検索する時の目線で考えると,なるほど!と納得できました。行政側として,タイトル(事業名)を一言一句間違えてはいけないと思っていましたが,それは行政用語であり,一般的にどよのうなワードで検索されるか,デジタルではまず検索に引っかかってもらうことが大切だと感じました。
今回の課長研修を担当された、DX推進係のみなさまからも感想をいただきました
―――今回の課長研修、いかがだったでしょうか?
意識の変革の一歩に。とても意義がありました
実施後に課長等から「今後において必要!(すぐにでも)進めるべき」といった意見が多く寄せられたことは,この研修は意義があったと感じました。
意識の変革を図るには,このような研修を継続して行う必要があると感じました。
管理職だけでなく全職員に対する意識改革を目指したい
sembear合同会社様の素晴らしい研修のおかげで,おおむね理想通りの結果になったと感じています。
デジタルマーケティングを活用した情報発信は,市場の変化に迅速に対応する必要があるので,状況に応じてトップダウンのアプローチも必要だと認識しました。
次の目標としては,研修で習得したことを現場で実践することが極めて重要であり,管理職だけでなく全職員に対する意識改革が求められると考えています。
デジタルマーケティングに迅速に取り組む重要性
情報は「伝わる」ことが何よりも重要であり,それに加えて,ターゲットや目的,価値を明確にした情報発信と,市民目線で徹底的に考える意識がデジタルマーケティングの初歩だと再確認しました。
担当者が数値分析を行い,効率的な情報発信ができるようになるまでには一定の時間が必要だと思いますが,今回のような研修を導入し,デジタルマーケティングを一つの事業として迅速に取り組むことが,今後の南九州市にとって非常に重要であると考えています。
課長研修(デジタルマーケティングの重要性)概要
- 2時間
- 対象者:課長層
- 内容
- マーケティングの重要性
- なぜ、デジタルで情報発信が必要か?
- きちんとしたデジタルでの情報発信とは?
- デジタルでの情報発信では改善し続けることが大切
課長向け研修レポ編集後記
今回の課長研修を実施するにあたり、全庁的なデジタルマーケティングへの取り組みを推進していくために、研修内容についても熱いディスカッションをさせていただきました。
デジタルマーケティングを推進する際に、庁内の意識醸成をどのようにすると良いのか?というのはどの自治体さまでも課題になることは多いと思います。
まずは、キーパーソンとなる課長向け研修から始めるというのも選択肢の一つかと思います。
南九州市のみなさま、ありがとうございました!
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