03. 成長支援とマネジメントへの視点の変化
治田:実際問題として「1の努力で1のリターンがある環境」もあれば、電通デジタルのような「1の努力で1.5とか2のリターンがある環境」もあると思うんです。そういう意味で弊社の研修を受けられた時から、マネージャーという立場に変わられたわけじゃないですか。実際に昨年は田上さんの部下の方のOne on One研修も実施させていただいたりもしますし。
そういう意味で、そういう「努力する環境」を提供する側になった田上さんが、どのように仕事やスタッフの方と向き合っているかについてお話を伺わせてください。
田上:ここは難しいところなんですけれど。基本的には自分が目指すべきゴール設定と、そこに向かいたいっていうモチベーションが大事だと思うんです。
まず目指すべきゴール設定って、自分一人だと難しいところがあると思うんですよ。例えばスキルチェックシートみたいなものを使って、いったん主観的ではあるものの自分の強みや弱みを自分を評価するっていうのは毎年やろうという方向性になってます。
ただ、どうしてもギャップが生まれるんですよね。自分の足りてないところはここだ、とか周囲から期待されていることはどこか、っていうところで。
治田:ある意味での「ちぐはぐ感」ですよね。
田上:おっしゃる通りです。それに加えて性格的なところも影響してしまうんですよね。謙遜してしまう性格のメンバーもいれば、もっと高みを目指してほしい、というメンバーもいるわけです。そういうところのギャップも面談の中で調整が必要なんです。
ただがむしゃらに頑張って伸びる部分もあるとは思うんですが、当人の自己認識を補正しつつ、そこにできるだけ客観性をいれながら成長機会を整える、っていうのは上長じゃないとできないところかなと思っています。
治田:その客観性の担保、という意味で、弊社のOne on One研修のフィードバックを、スタッフの自己評価と目指すべき姿、そして第三者的な目線から見たときのギャップを把握する、というところで活用しているイメージですか?
田上:そうですね。そのイメージで合ってます。
もちろん本人と上長の会話で、認識のすり合わせができて、全部がうまくいけば理想だと思うんです。ただやっぱり一人一人と話せる時間に限りがあることは認めざるを得ませんし、一緒に仕事をしているがゆえに見落としてしまっていたり「このメンバーのためにどんなきっかけを渡すことができるのか」というところが客観になり切れてないところもどうしても出てきてしまいます。
そういうところでメンバーにOne on One研修をして第三者の目線で指導をしている治田さんと話しながら、上長としてはどういうブレイクスルーを作っていくか、という相談をしているという感じですね。
治田:そこがまた「電通デジタル」の強さなんだと思うんですよね。最初に話した「層の厚さ」であったり「人の強さ」というところに通じるところなんですが。
弊社のOne on One研修って、基本的には「受講者のスキルを磨く」研修ですし、それは電通デジタルさんでも同じではあるんですけど。電通デジタルさんの場合は特に、マネジメントの皆さんがスタッフの方をどう成長させようか、っていう熱量をお持ちなんですよね。だから弊社の研修も「受けてこい」というスタンスではなくて、マネジメント層の皆さんが自分のマネジメントにどう活用するかっていうのまで真剣に考えられているんですよね。
スタッフの皆さんを育てるためにどういうことをすればいいか、どういうオプションがあるのかという、選択肢の広さをマネジメントの皆さんが本当に考えられているな、と思います。
田上:そうですね。昨年研修を受けたメンバーに対して治田さんが言った言葉で「あなたは自分のスキルが高いことをまず意識しなさい。その上であなたが提案していないことがクライアントにとっては明確な損なんです」っていうことを伝えてもらったじゃないですか
治田:ありましたね。
田上:本当は僕が言語化して伝えないといけないことだったな、とも思うんですが、それを第三者からいわれたことで、本人の意識が変わってくるな、っていう感覚があったんですよ。そういうところも意識しながら本人との面談にも向き合えるのは、本当に助かってるところです。
治田:いえいえ、そもそも田上さんから受講者について本当に多くのインプットを自分にもしていただけていたからこそ精度の高い研修ができた、というところも大事なポイントです。
ただそこが本当に大きなところで、確かに広告会社って「やってみなはれ」的な文化とか風土とかっていう、いうなれば「チャレンジを奨励する文化」っていうのがそもそもあると思うんです。それは他の広告会社でも一定そうだと思うんですが、それが単なる「放任」なのか、それとも「サポート」も含めたものなのかで、「やってみなはれ」で挑戦した後の成長って全然違うと思うんですよね。
そういう意味で「挑戦する文化」とか「チャレンジする風土」っていう文字面だけではなくて、弊社の研修を導入いただいているところや、マネジメントが真剣にスタッフの方に向き合ってる「チャレンジする人を応援してる環境」があるっていうのが、やっぱり「電通デジタル」の強さだと思います。
田上:一つの仕事をがむしゃらにやって得られる経験値ってあって、まあ結局最初は自分が頑張らなきゃいけないわけなんですけど、その経験値が仮に100だとしたときに、ちょっと視点を変えてあげたらそれが120になったりすることもあるわけですよね。同じことをやるにせよ視点が違うことで得られる知見って変わりますし。そういうところをどうサポートできるかが本当に大事だと思ってるんです。
そこで僕一人だと伝えられるフィードバックも限られてきたりするんですが、関西の組織ではマネジメント陣はホントに毎週「メンバーにどんなきっかけを作ってあげられるのか」とか「どんな成長機会を作れるのか」っていうのを議論してるんです。マネジメント陣の間で、これだけ風通しが良く、成長機会を議論で来ている組織っていうのが世の中にどれくらいあるかわからないですけど、そこは少しは誇りに思ってもいいんじゃないかな、とは思いますね。
治田:つまりそもそもの本人の伸びしろ、成長余力っていうのがあるところを、さらに伸ばして拡張できるような環境づくり、っていうところが今のミッションっていう感じでしょうか。
田上:そうですね。そんな感じです。
治田:ありがとうございます。本当に「電通デジタル」の強さを改めて感じた一時間でした。本当に今回は長い時間お付き合いいただきありがとうございます!

04. あとがき
弊社は「デジタルマーケティングの人材育成」の会社です。もともとこのOne on One研修から始まった会社といっても過言ではありません。人は「放任」だけで育つこともありますが、本記事にもある通り「放任」で成長できる環境を作ることは並大抵の努力ではありません。本One on One研修は様々な広告代理店様で「成長環境」構築のピースとして活用されてきました。その一端を本記事からご理解いただけると非常にうれしく思います。
このOne on One研修は、現在、代表の治田が直接担当しています。多くの方にご案内できるものではありません。ただ自社のスタッフの成長についてのご相談は随時承っておりますので、以下のフォームよりお問い合わせください。