
シティプロモーション動画が話題になり、再生数が大きく伸びると「成功した」と感じるかもしれません。しかし、本当に達成したい目標は何だったでしょうか?再生数が増えても、目的に近づいていなければ意味がありません。
特に、移住促進や観光誘致を目指す自治体の広報では、最終的なゴールを意識した設計が重要です。この記事では、再生数だけにとらわれず、シティプロモーション動画を目的達成につなげるための考え方について解説します。
1.シティプロモーション動画、youtubeでバズったのに…?

動画がyoutubeでバズった――しかも100万回再生!
市役所内は「大成功!」と大盛り上がり。「こんなに見られたなんてすごい!」と誰もが喜んでいました。
市長もご満悦。「これで移住者が増えるぞ!」なんて言って、少し鼻高々。
でも…本当にそうだったんでしょうか?
数か月後、ふと気になって振り返ってみたら、どうも様子がおかしい。
「確かにバズったけど…移住相談って増えてる?」「この動画を見て問い合わせが来たこと、あったっけ?」
バズったこと自体は確かに良かった。でも、それが本当に効果を出していたのか…。
こんなこと、皆さんにも思い当たることありませんか?
2.動画の再生数だけじゃダメな理由
2.1.目的、見失ってない?
そもそも、動画を作った目的って何でしたっけ?
単に「見てもらうこと」じゃなくて、「地域の魅力を伝えること」で、「移住希望者を増やすこと」「観光客を呼び込むこと」だったはずです。
なのに、再生数ばかりに気を取られて、本来の目的を見失っていませんか?
「たくさんの人に見てもらえたからOK!」じゃなくて、「見た人に何をしてほしいのか?」が大事なんです。
再生数が増えたこと自体は良いことですが、再生数をゴールにしてしまうと本来の目的を見失います。
例として、移住希望者を増やしたい場合、再生数やいいね数だけでは効果を測れません。重要なのは「移住相談フォームの送信数」「イベント参加者数」「資料請求数」などの目的に近い具体的なアクションです。
そこを意識していないと、いくらバズっても結局は自己満足で終わってしまいます。
2.2.目指すべきは「目的に近いKPI」
再生数って分かりやすいし、報告しやすいんですよね。
でも、それだけで目的を達成できるわけじゃない。
例えば、移住者を増やすという目的でKPIを考えてみると、下記のようになるかと思います。
- ・目的に近いKPI:移住相談フォームの送信数、資料請求数、メールマガジン登録数、アンケート回答数
- ・目的に遠いKPI:動画の再生数、いいね数、シェア数

再生数やいいね数がどれだけ多くても、それが本当に「移住希望者」を増やすことに繋がっていないなら意味がないんです。
つまり、「目的に近いKPI」を意識しないと、ただバズって終わり。
目的を達成するためには、その目的に合わせたKPIを設定することが欠かせません。例えば「移住者を増やしたいなら移住相談フォームへのアクセス数を増やす」「イベント参加者を増やしたいなら申し込み数を増やす」というように、目的に合わせたゴール指標を設定しましょう。
3.ゴールから逆算するってどういうこと?
3.1.ゴールを決めたら、そこから逆算して道筋を作る
動画を作る時って「バズらせたい!」とか「たくさん見てもらいたい!」って気持ちになりがちですよね。でも、ゴールを達成するためには、そのあとに視聴者がどう動いてくれるかが大事です。
例えば「移住者を増やすこと」が目的なら、視聴者に何をしてほしいかを具体的に考えないと意味がありません。ゴールを達成するための行動を逆算して設計することが必要です。

シティプロモーションの目的は知名度向上?
そもそもシティプロモーションとはどんなものか?シティプロモーションの目的って何かについて解説!
3.2.ゴールに向かうための逆算設計の流れ
①最終ゴールを決める
例えば「移住相談フォームの送信を増やしたい」や「観光地への問い合わせを増やしたい」など、目的を達成することに最も近い指標をゴールに設定する。
②ターゲットに起こしてほしい行動を決める
ゴールを達成するまでにどんな行動を起こしてほしいか、例えばホームページを見に来てもらう、資料請求をしてもらう、イベントに申し込んでもらうなど。
③行動を引き出すための仕掛けを作る
動画内で「こちらから相談できます!」とリンクを案内したり、QRコードを表示する、ホームページ内に移住相談をしたくなるような記事を書くなど。
④データを測定する
アクセス数や成果数を定期的に確認し、成果を見える化する。データをそもそも測定できる設定がされていなかった、なんていうのはあってはならないことです。確実に計測環境を整えておきましょう。
⑤効果を確認しながら改善する
リンクのクリック数やフォーム送信数を測定して、「この方法で効果が出ているのか?」をしっかり確認する。もし反応が悪ければ、リンクの配置を変えたりメッセージを変えたりといった改善を繰り返すことが大事です。
4.デジタルの強みを活かす
4.1.データを活用して改善を図る
デジタルの最大の強みは、データを集めて分析できることです。アクセス数やクリック数だけでなく、どのページでユーザーが離脱したかも把握できます。
具体的なツール
・Googleアナリティクス:ホームページへの来訪数、滞在時間、ゴールとなる成果数などを測定できる。
・ヒートマップツール:どの部分がクリックされているかを視覚的に確認できる。
これらのツールを使うことで、現状を分析することができます。現状のデータをもとにPDCAサイクルを回し続けることで、プロモーションの効果を最大化できます。そしてここがデジマケの面白いところでもあります!

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4.2.成功事例と失敗事例を活かす
特に重要なのは、過去の成功事例と失敗事例を分析することです。例えば、過去に大きな反響を呼んだ施策があったとしても、それが本当に目標達成に繋がったのかを確認する必要があります。
逆に、思ったほど成果が出なかった施策についても、その原因を探ることが大切です。成功事例を分析することで、何が視聴者にとって魅力的であったのかを理解できます。また、失敗事例を振り返ることで、どのような点が改善すべきポイントであるかを洗い出すことができます。
成功事例からも失敗事例からも、客観的数値から示唆を得られるというデジタルの強みを生かしましょう!
まとめ
シティプロモーションは、デジタルの強みを活かせば、より確実に目的達成に向かうことができます。
ぜひゴールをきちんと設定して、デジタルの強みを活かして取り組んでみてください!