ふるさと住民登録制度、自治体が「今すぐ」動くべき理由【第四回】

Banner for municipalities: considering the hometown resident registration system; Episode 4: what are the reasons to act now?

こんにちは!sembearのありーです。

4回にわたってお届けしてきた「ふるさと住民登録制度」シリーズ、いよいよ最終回です!

第1回で制度の全体像を、第2回で「登録してもらうだけでは意味がない」という本質を、第3回で「選ばれるまち」になるための戦略をお伝えしてきました。

今回は「では、具体的に何から始めればいいのか」について、sembearの支援現場の視点でお話しします。

まず最新情報をお伝えすると、2026年4月、総務省がふるさと住民登録制度のモデル事業対象として7道県・21市町村を選定したと発表しました。2026年度中の本格導入を目指して、実証が始まっています。

つまり、「これから検討する制度」ではなく、「すでに走り始めている制度」です。

モデル事業に選ばれた自治体はいち早くノウハウを積み上げ、先行事例として全国に名前が知られることになります。

一方、「様子見」を続ける自治体との差は、じわじわと、でも確実に開いていきます。

ここで、マーケティングの考え方をひとつお伝えします。

CRM(Customer Relationship Management・カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)――日本語では「顧客関係管理」と訳されますが、要は「一度関わってくれた人との関係をどう継続・深化させるか」を設計・管理する考え方です。

民間企業ではBtoC、BtoBどちらでも取り組んでいることが多く、ビジネスでは当たり前のように使われているこの発想が、ふるさと住民登録制度では自治体に求められるようになります。

登録者は「お客さん」ではありません。でも、関係を継続してもらうために何かを届け続ける必要があるという構造は、まったく同じです。

実際、総務省の審議官も「ふるさと住民と地域住民がコミュニケーションできる場を設定するのがカギ。それがなければ、長続きしない」と明言しています。

アプリに登録情報を掲載して終わりではなく、登録後のコミュニケーション設計こそが勝負なんです。

では、具体的に何をすればいいのか。わたしなりに3つに整理してみました。

① 「誰に来てほしいか」を言語化する

第3回でもお伝えしましたが、これがすべての出発点です。「多くの人に登録してほしい」は戦略ではありません。

自分たちのまちに共感してくれそうな人を具体的にイメージして、その人に刺さるベネフィットを言葉にする。

まずはここから始めましょう。ターゲットが決まれば、発信すべきコンテンツも、整えるべき体験も、自然と見えてきます。

② 「登録後の体験」を設計する

登録してもらった後、最初の1ヶ月に何を届けますか?3ヶ月後にどんな体験を提供しますか?1年後、その人はベーシック登録からプレミアム登録に移行していますか?

この流れを事前に設計しておくことが、CRM的な発想でいう「ジャーニー設計」です。

sembearでは「態度変容フロー」と呼んでいますが、「知らない」から「深く関わる」までの各ステージで、何を届けるかを具体的に決めておくこと。これがないと、登録者は静かに離れていきます。

③ 既存のシティプロモーション施策と連携させる

ふるさと住民登録制度を単独で走らせようとすると、担当部署が孤立して続かなくなります。

観光・ふるさと納税・移住促進・地域イベント……これまで積み上げてきたシティプロモーション施策の「延長線上」に制度を置くことが重要です。

すでにファンになってくれている人たちへの登録促進、観光で来た人への現地での登録案内、ふるさと納税の寄付者へのベーシック登録の誘導――こうした既存の接点を活かした導線設計が、最も効率的なスタート地点です。

最後に少しだけ、わたしたちの話をさせてください。

sembearは、自治体のシティプロモーション戦略の立案から、デジタルマーケティングの実践支援まで、一緒に考え・動く「伴走型」の支援をしています。

ふるさと住民登録制度については、こんなご相談をよく受け始めています。

  • 「制度が始まると聞いたけど、何から手をつければいいかわからない」
  • 「ターゲット設定やベネフィットの言語化を一緒に考えてほしい」
  • 「登録後のコミュニケーション設計をどう作ればいいか知りたい」
  • 「今やっているシティプロモーション施策との連携のさせ方を整理したい」

制度のプラットフォームは国が作ってくれます。でも「うちのまちらしい使い方」は、自分たちで考えるしかありません。そこに、わたしたちsembearは並走できると思っています。

4回にわたってお届けしてきたこのシリーズ、いかがでしたか?

改めて整理するとこうなります。

  • ✅ 第1回:ふるさと住民登録制度は地方創生2.0の看板政策。制度の概要と背景を理解しよう
  • ✅ 第2回:「登録してもらうだけ」では何も変わらない。受け入れ体制とコミュニケーション設計が本丸
  • ✅ 第3回:「選ばれるまち」になるには、態度変容フローに沿った戦略設計が必要
  • ✅ 第4回:制度はすでに動き出している。今すぐ「誰に・何を・どう届けるか」を考え始めよう

制度の名前がどう広まるか、登録者数がどこまで伸びるか、まだわからないことはたくさんあります。

でも確かなのは、準備している自治体と準備していない自治体の差は、これから大きく開くということです。

ふるさと住民登録制度に関するご相談、ぜひsembearにお気軽にどうぞ!一緒に「選ばれるまち」をつくっていきましょう。

シティプロモーションに関する事例は、こちら

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ふるさと住民登録制度への対応も含めたご相談もお気軽にどうぞ!

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ありー
sembear合同会社COO。広告代理店でデジタル広告のコンサル・化粧品会社でマーケティング・IMCなどを担当。マーケティング活動がおもしろくなればいいなと思っており、事業側と協力会社のちゃんとしたパートナーシップを目指している。寒いのと朝は苦手人間。

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