データとは何か?データを構成する三要素

データとは何か?

データを構成する三要素を抑えよう


データって、いったいなんなんでしょう?

デジタルマーケテイングの黎明期から仕事をして、リスティング広告からアドネットワーク、そしてDMPなどの開発に携わる仕事をしてきた成果「データ」を使う機会は結構多かった方だと思います。そんな中、しばしば出くわす問題というのが

「うちはデータがあるんだけどうまく使えない」

というお悩みです。でもこの質問ってちょっとおかしいと思いませんか?なんで「使ってない」のに「データがある」ってわかってるんでしょう?実際私が見てきた多くのクライアントさんは「データがある」と思っているものの、その「データ」の中身を把握されている方はあまりいませんでした。

そもそも「データ」という言葉が独り歩きしてしまい、その中身が漠然としているようでは「使える」はずがありませんよね。ですので私はまずこういう話になるときには「データベース」もっとはっきり言えば「ER図(Entity Relation)」を見せてもらうようにしています。ER図はデータベースの設計図のようなもので、これがあることで今保有しているデータを具体的に把握することができるのです。

ちょっと前置きが長くなりました。いよいよ本題です。特にビジネスにおけるデータ活用、マーケティングにおけるデータ活用において「データ」とは基本的に三つの要素で構成されています。それは

  1. ID
  2. 属性(Attribute)
  3. 行動(Behavior)

です。

具体的に考えてみよう

具体的に考えてみましょう。これはもう10年近く前に実際に私が経験した話をベースに一部フェイクを入れています。私はとあるECサイトの方とお話をしていました。その会社の方は「うちの商品検索データはすごい、この商品検索データを使ってEC以外の別事業を立ち上げたい」とおっしゃっていました。

なるほど、確かにECサイトの商品検索データって使えそうですね。例えば今私はSurface Pro7を仕事のメインマシンに使っています。サブマシンがMacbookです。どっちのほうが検索が多いのかなあ、という気持ちはわかります。ただ、残念ながらこの「検索データ」というのは「データ」というよりもむしろ「データの集計結果」です。

仮にSurfaceの検索回数が月5万回、Macbookの検索回数が月10万回だったとしましょう。でもそれって所詮そこまでしかわかりません。というのはこの「検索回数」というやつは「5万人が一回ずつ検索した」かもしれませんし「一人が10万回検索した」のかもしれません。ですので、まず検索した人数を把握しなければこの5万回と10万回の本当の意味は分かりません。

となると検索をした人をカウントしなければなりませんね。もちろん匿名情報なので「abc001」なり「xyz005」なりというIDを発番しなければカウントできません。ここが今日の一つ目のポイント、データの三要素の一つでもある「ID」です。

さて、どうやらSurfaceという検索をしたのは25000人だったようです。つまり一人が平均2回検索している、ということですね。ここで詳しく見れば多く検索した人や1回しか検索しなかった人、というのが見えてくるはずです。これはつまりIDごとの「検索行動」を厳密に把握する、ということになります。これが今日の二つ目のポイント、データの三要素の一つでもある「行動(Behavior)」です。

そして今度はこの25000人どうやら会員登録してある情報から調べてみると7割が女性であることがわかりました。対してMacbookは5割が女性だったとしましょう。ということは女性に向けたパソコンのプロモーションにおいて、Surfaceを推すことのほうがMacbookよりも効果的である可能性があります。さて、ここが今日の三つ目のポイント、データの三要素の一つでもある「属性(Attribute)」の話になります。

IDと属性と行動を把握しよう

このIDと属性と行動をどのように把握するのか、それはビジネスモデルやタッチポイントの設計により様々です。しかし、この設計ができていなければ「使えるデータ」がわからないどころか「あると思っていたけどデータがない」という事態が起こってしまいます。

上記にある「タッチポイント」とは言い換えれば「消費者との接点」です。そしてご存じの通り消費者はパソコンやスマホなどのデジタルデバイスを日々使っていますし、皆さんもウェブサイトやアプリなどの「デジタル上の顧客接点」を保持しているはずです。

その顧客接点からどのようなIDと属性と行動が取得されていて、今何が取得できていないのか、そしてこれからどのようなデータを取得しなければならないのかを「設計」する力がなければ、ほぼ100%データ活用は失敗します。

是非自社顧客の「ID」と「属性」と「行動」に注目してみてください!それによってわかることは皆さんが思っている以上に多岐にわたり、そして深さもありますよ。