sembear ACADEMIA : 数値の関連性

数値の関連性


CPAの計算式

これは弊社が提供しているOne on One研修の初心者コースで必ず聞く質問なのですが、CPAの計算式は実は非常に良いサンプルです。このページをお読みの方の多くは以下のように計算しているのではないでしょうか?

CPA=広告費用÷コンバージョン数

この式は決して間違いではありませんし、むしろ正しいです。しかしながらこの計算式では本質を見失うことがあります。少しこの式を分解してみましょう。

まず広告費用について。広告費用は(CPC課金だった場合)「クリック単価×クリック数」となります。1クリックあたり50円で100クリックだった場合、50
(円)×100(回)の5000円になるわけです。

そしてコンバージョン数についても同じように考えると「クリック数×コンバージョン率」になります。100クリックあって1コンバージョンだったらコンバージョン率は1%になるので、100クリックに1%のコンバージョン率をかけることで1件のコンバージョン数となるわけです。

これを踏まえるとCPAの計算式はこうなります。

CPA=クリック単価×クリック数÷クリック数×コンバージョン率

分子と分母に両方とも「クリック数」が含まれているので約分ができますね。となるとCPAの計算式は

CPA=クリック単価÷コンバージョン率

という式に置きかけてよいわけです。

なんでこの式が大事なのか?

実はこの式、とっても重要です。というのも普通の計算式、つまり広告費用÷コンバージョン数という計算式には「クリック数」「クリック単価」そして「コンバージョン率」という3つの数字が含まれているわけです。もっというとクリック数とは広告表示回数とクリック率の掛け算なので合計4種類の数字がこの式には含まれていることになります。

そうなるとCPAの変動要因として様々な数値を見ていることと同じになり、問題点の把握がわかりにくくなってしまうのです。

その反面CPA=クリック単価÷コンバージョン率で計算すると、クリック単価もコンバージョン率も「それ以上分割できない最小単位」なので見なければいけない数字を減らすことができます。問題点の把握という意味ではこちらのほうが早く処理ができるわけです。

無論CPA=広告費用÷コンバージョン数という計算が必要なこともありますし、インプレッション数やクリック数、クリック率を無視していい話ではありません。ただ、フォーカスするべき数字を明確にすることで、素早い対応が可能である、という意味ではそれぞれの計算式を深く考えることで「数値の関連性」を認識しておくことは非常に重要でしょう。