入札か?プロポーザルか?自治体デジタル広告事業者選定を考える

自治体がデジタル広告を始めようと思ったとき、最初のハードルは思いのほか単純明快な疑問なのかもしれません。

ー事業者をどう選ぶのか?

財政は「入札で透明に、価格をおさえて」、現場は「価格だけで決まるのは不安」。テーブルの上に並ぶのは、入札とプロポーザルという二つのカード。さあ、皆さんなら、どうやって事業者を選びますか?

デジタル広告領域の事業者選定で難しいのが、誰でも「デジタル広告を扱えます」と名乗れてしまうことにあります。建設業のように、事業者に求められる明確な基準があるわけでもなく、成果物も同様に基準がありません。

仕様書に基づいて複数事業者から金額を提示してもらい、最も安い業者を選ぶ「入札方式」は、コストを抑えられ、公平性・透明性が高い等のメリットがありますが、その事業者が本当に事業の目的を達成できるだけの“技術力・企画力・創造力”を有しているかは書面上だけでは判断することができません。

いくら仕様書上で細かく定義しても、事業者側の事業目的の理解や、扱えるデジタル技術の幅により、デジタル広告の成果が大きく左右されてしまいます。そもそも、手を挙げた事業者は、その仕様書の内容をどれほど理解しているのでしょうか?

「仕様書の内容を遂行でき、一定のクオリティを担保できる事業者が手を挙げてくれるだろう。」これは、行政側に身勝手な期待に過ぎず、思い込みに他なりません。

入札方式は、公平でスピーディ。ただ、それは多様な“技術力・企画力・創造力”が問われるデジタル広告においては、「安かろう悪かろう」に終始してしまい、本来の目的を達成できない状態を招いてしまう危険性を孕んでいます。

デジタル広告を実施する本来の目的は、仕様書に沿って作業は完了することではなく、目的を達成することにあることに留意しなければいけません。

一方で、プロポーザル方式では、事業の目的や課題を示し、各社から提案書を受け取り、総合評価で事業者を決定します。KPI設計、媒体選定、ターゲティング、運用・検証フローまでを比較できるのが、プロポーザル方式の大きな強みとなります。

単に「仕様書を満たすかどうか」ではなく、どのように成果をつくりにいくのか、その思考プロセスごと比較できるため、事業目的に最も適した事業者を選ぶことが可能になります。

さらに、プロポーザル方式では事業者の、

  • ・目的理解の深さ
  • ・課題設定の妥当性
  • ・クリエイティブ力
  • ・改善提案の姿勢
  • ・実行体制と専門性

といった、本来の成果に直結する要素を把握できます。

同じ予算であっても、提案の質によって成果が大きく変わるのがデジタル領域です。だからこそ、「最も安い業者」ではなく、「最も成果につながる設計を描ける業者」を選べるプロポーザル方式が、デジタル広告施策においては適していると言えます。

デジタル広告は、単に仕様書どおりに作業を進めれば成果が出るものではなく、事業目的の理解、技術力、企画力、そして改善を続ける姿勢が大きく成果を左右します。入札方式は公平性や透明性に優れる一方で、こうした“目に見えない力”を評価しきれず、結果として十分な成果につながらないケースも少なくありません。

一方、プロポーザル方式では、各社の提案内容や体制、実績を総合的に比較することで、「どの事業者が目的達成に最も適しているのか」を見極めることができます。デジタル施策の成功に必要な要素を踏まえると、価格だけでなく、成果に直結する視点でパートナーを選べるプロポーザル方式の方が、より適切と言えます。

自治体の限られた予算と時間を最大限に活かし、住民にとって価値ある成果を生み出すためにも、“安さ”ではなく“成果”を基準にした事業者選定が重要です。プロポーザル方式は、その判断を可能にする有効な選択肢となるのではないでしょうか?

比較項目入札方式プロポーザル方式
主目的コストを抑えて発注すること事業目的の達成・成果最大化
判断基準価格中心提案内容・体制・価格等の総合的な評価
留意点技術力・企画力・創造力を評価しづらい審査や比較・検討に一定の工数が必要
得られる成果の特性品質も、成果も担保されない場合がある目的達成に最適化された施策設計が可能

sembear合同会社では広告配信の目的整理から、デジタル広告の仕様書作成についてもお手伝いしていきます。デジタル広告の仕様書作成での「困った・・」があればお気軽にご相談ください!

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Saimi Hiroike
sembear合同会社の普通の人。0限目があるのは九州だけだったことに驚きを隠せない。私の青春はほぼ校舎での勉学で終わっているのたぶん真面目。ふらっ旅行に行くのが好き。おススメ観光地はサハラ砂漠とポルトガル。