
目次
1. そもそも「デジタル赤字」とは?
日本では今、地方自治体が“成果のない広告”に税金を使い、それがそのままGAFAMへと流れていく、そんな現象が当たり前に起きています。これは、単なる支出ではなく「意味のない支出=デジタル赤字」です。
まずそもそも「デジタル赤字」とは何かを説明しましょう。まずはこちらの日経新聞の記事をお読みいただけるとよいかと思います。
そしてこの記事にもある通り
日本の企業や個人が使う海外のIT(情報技術)サービスへの支払い超過が続いている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA073OI0X00C25A8000000/
サービス収支のうち、旅行収支は半期として過去最大の3兆6065億円の黒字を確保した。旺盛な訪日客需要による黒字をデジタル赤字がほぼ打ち消す構図が続く。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA073OI0X00C25A8000000/
という状況になっています。
このデジタル赤字問題は、しばしば国内のIT関連企業に対する支援で克服していこう、という流れもありますが、特にデジタル広告の文脈でいうと、GoogleやMetaなど、いわゆるGAFAMとよばれるデジタル広告の主要企業が日本国内でもメインストリームであり、そう簡単に克服できる状況ではありません。
ただ、特にデジタル広告の場合、単純に米国IT企業にお金が流れているだけ、という短絡的な見方ができるわけではありません。これらのデジタル広告を活用して「支払った費用以上の効果」が出ている場合、そのデジタル赤字は「投資」として正当化できます。つまりデジタル広告における「デジタル赤字」問題の根幹は「デジタル広告を使って効果をあげられているのか否か」が分水嶺になるわけです。
2. 自治体のデジタル広告における「デジタル赤字」とは?
それでは、この「デジタル赤字」問題を自治体のデジタルマーケティング、デジタル広告から考えてみましょう。
まずは「域外」の自治体デジマケとして、「ふるさと納税」「移住」「観光」についていえば、ふるさと納税の寄付額がデジタル広告支出を上回ること(前提としてふるさと納税のルールの範囲内で)、そして移住や観光についていえば、その自治体における経済効果を算出することで「デジタル赤字」が単なる赤字なのか、それとも十分なリターンをもたらした「投資」なのかが判断できます。
次に「域内」の自治体デジマケの典型例である「住民への周知」を考えてみましょう。これは経済効果を測りにくく、どうしても判断が恣意的にならざるを得ないところがありますが、一つの判断としては「市民に届く」「行動変容がおこる」という、行政の情報発信の目的を達成できていれば、単なる「デジタル赤字」にはならないと考えることも可能です。
ただ、ここで問題になるのが、これらの「単なるデジタル赤字か否か」の判断の上では「計測」が必要不可欠である、ということです。
3. 行政のデジタル赤字=税金の海外流出
ここからやや過激な論調になりますが、もし
- ・ちゃんと計測をしていない
- ・自動最適化も活用してない
- ・PDCAも回していない
ようなデジタル広告を自治体が取り組んだらどうなるでしょうか?おそらく上記の3点をすべて無視したデジタル広告においては、その投資効果は皆無のはずです。つまり、上記の条件に該当する場合、そのデジタル広告支出は単なる「デジタル赤字」になっているといえます。
さらにひどいことを言えば、そのデジタル広告支出は住民の税金です。つまり上記3点を無視したデジタル広告は、単なるデジタル赤字という被害を超え、住民が支払った税金を海外に流出させている、という行政としては最も避けるべき状態になっているわけです。
そしてこのBlogをお読みの方ならお気づきだと思いますが、自治体のデジタル広告で上記3点を意識しているケースはほぼありません。弊社が上記を指摘しても無視をする事業課さんは珍しくありませんし、それが「税金の無駄遣い」であることの意識すら持っていない人が多数派でしょう。
4. 地方を活性化させるには?
この例題からわかることは「住民の税金」が「海外に流出」しているという醜悪な現状だけではありません。それは「本来地域の住民に還元できるはずだった価値」が失われている、ということです。
そしてこの問題は以前の弊社Blogのシリーズである「失われた四半世紀」とも密接に関連しています。つまり、地方自治体が「税金を海外に流出させている」というこの現状は、「職員の努力」によって防ぐことができる、という事実です。
例えばイベント参加、ボランティアの募集、子育て支援の情報など、デジタル広告を使って情報発信をすることは珍しいものではなくなりました。これらの広告費用が、単なる「税金の海外流出」になるのか、それとも「地域の人々の生活を活性化させるのか」、この問題を打破するには行政職員自身がデジタル広告・デジタル情報発信のスキルを身に着ける「リスキリング」に取り組めるかにかかっています。
弊社では効果計測、ダッシュボードの構築、そしてアドバイザリーと研修を通して、自治体のデジタル情報発信・効果改善に尽力しています。栃木県でのデジタルマーケティングアドバイザー支援では、計測の内製化、ダッシュボードによる一元管理で「効果の可視化」を実現し、研修とアドバイザリーによる職員の皆さんのレベルアップを実現してきました。
一つの事例ですが、若年層に栃木県内の仕事の魅力を伝えるデジタルマーケティング事業では、現地新聞社の下野新聞社様と連携し、4年で50倍以上の結果(仕事が探される回数)を実現し、総務省の事例にも掲載されています。
この事例のインタビューにもありますが
Qこれから事業を考えている自治体に向け、一言お願いします。
A目標を達成するための広告種類別のターゲット分類や比重、実施時期の具体的な配信設定について、各種現状分析を行い、事業効果を最大化する観点から、関係者と連携し決定していくことが重要ではないでしょうか。
https://dx-navi.soumu.go.jp/case/pdfcase072
このようにしっかり現状分析を行い、事業効果を最大化する、つまり「効果計測」「自動最適化」「PDCA」をしっかり行えば、自治体のデジタル広告事業は「成功」します。つまりデジタル支出が海外に流出したとしても、それ以上の効果を自治体に残すことは可能なのです。
これ以上貴重な財源を海外に流出させないよう、一緒に対策を立てていきませんか?




