Marketing Technologyデジタルマーケティング

テクノロジーの理解がマーケティング部に必要な理由

テクノロジーから逃げてはいけない

いささか苦言を呈すような物言いになってしまうのですが、やはり一度書いておくべきかとは思います。

世の中の「マーケティング部」の多くは、いま何かしらの形でデジタル施策に取り組んでいるでしょう。それは大手企業であれ中小企業であれ、ひょっとすると個人商店でもウェブサイトがある以上はデジタルマーケティングに取り組んでいる、と捉えることもできるわけなので何も珍しい話ではありません。

ただ、ウェブサイトを自社で作っている、または自社で運用している企業となるとぐっと減りますし、Google Analyticsなどでアクセス解析をしている企業になるともっと減るでしょう。もっというとfacebookやTwitterで自社の情報発信をしている会社も多くあると思いますが、特にfacebookのfbclidがなにか、ということまで知っている人はおそらくごく少数です。

今までデジタルマーケティングにおける上記のような「テクノロジー」の話は多くの「マーケティング部」が無視していた、またはアウトソースをすることによって「逃げること」ができていたのですが、特にプライバシー保護の議論が盛んになっている今年から来年にかけて、この「テクノロジー」の理解ができているか否かは「マーケティング部」の実務上大きな影響を与える可能性があります。

プライバシーとテクノロジー

前回書いたturtledoveやdovekeyの話もそうですが、企業のマーケティング部はデジタル上での顧客接点でユーザーの情報を何かしらの形で取得し、そしてそれをマーケティング施策に生かしてきました。リターゲティングなどはその典型例と言えるでしょう。自社のウェブサイト(ここが顧客接点)に来訪しているユーザーのCookie(ユーザーの情報)でリターゲティング(ここがマーケティング施策)に活用する、という形ですね。

ところがプライバシー保護が進展することによって、ここについてはもう少しシビアに考えなければならなくなる可能性があります。具体的にはユーザーからの許諾を得てハッシュ化したメールアドレスやIDを活用したターゲティングが必要になる可能性がありますし、何より現在においてはAppleのCookie利用規制でもあるITPによりGoogle Analyticsのデータも一部解釈が難しくなっています。もっというと上記にあるfbclidが勝手に付与されたURLがGoogle Analyticsのレポートに出てきてしまうこともプライバシー保護関連と無関係ではありません。

つまり現状において、大手だろうと中小企業だろうと、自社のマーケティング施策において何かしらの「プライバシー保護」に関連した「各社のテクノロジー」が何かしらの形で、特にレポートや数値の部分で影響を与えているはずなのです。そして少なくとも弊社が見てきた企業様で、その事実に気づいている人は皆無でした。

テクノロジーは「高度な専門知識」ではなくなった

ここまで広範に影響を与えている現状では、テクノロジーはもはや「一部の人だけが知っていればいい高度な専門知識」ではなく「マーケティングの実務を遂行する上で必要な基礎知識」となっています。実際にGoogle Analyticsの設定自体が間違っていたケースなどは「テクノロジーの無理解」がマーケティング施策に致命的な影響を与える好例と言えるわけです。

例えば今回の投稿で随所に出てくるfbclidとはfacebookから自社サイトに来訪してきたときにfacebookが「勝手に付与」するQuery Strings(いわゆるパラメータ)です。これはfacebookの広告だけでなく通常の投稿からの来訪にも付与されます。このパラメータはfacebook上でのクリックと来訪先のサイトの情報を結びつける目的で付与されたもので、放置しているとGoogle Analytics上では「ユーザーがクリックした回数だけ」ランディングページが増えてしまい集計などに手間がかかるという問題があります。

もっと続けるとGoogle Analyticsをこれから使いこなす上ではサーバサイドGTMの利点や特徴を理解する必要もあるでしょうし、ITPやETP(Firefoxのプライバシー保護機能)を踏まえれば今自社の計測環境でどこにどのような影響があるのかは理解できていたほうが望ましいです。

こういったことからわかるように、もはや「テクノロジーの理解」はマーケティングの実務において必須の知識だと思うのです。

最も重要な基礎技術とは?

以上を踏まえて、テクノロジーの理解が必須であることはおわかりいただけたかと思います。しかしながら今から、かつゼロから学ぶにはなかなか難しいこともよくわかります。ではどこから勉強を始めればいいのか、というのが次のポイントになりますが、弊社としてはまず「自分でサイトをゼロから作る」ということをおすすめしています。

まずレンタルサーバを借りましょう。そしてドメインを取得しましょう。さらにWordPressをインストールして自分でBlogを書いてみましょう、もちろんGoogle Analyticsもセットをしてくださいね。おそらくこれだけなら毎月1000円でお釣りが来るはずです。この環境を手に入れることによって、Google Analyticsなどのテクノロジーを自由に試すことができるようになるだけでなく、最も重要な基礎技術である「サーバとHTML」を学ぶことができるんです。GAを導入したらJavaScriptを触ることになりますし、facebookでシェアをしたらfbclidがついていることの面倒臭さを知ることになるでしょう。

書籍で勉強することも不可能ではないと思いますし、講座を受けることも良いと思います。ただ、それらではあくまで一般論の技術しか学ぶことができません。この領域の知識は実際に自分で手を動かして身につけないと応用が効かない部分でもありますし、言い換えれば毎月1000円未満で最先端の各種マーケティングテクノロジーを実験できる環境が作れる、というのはなかなかお得な自己投資じゃないかな、とも思います。