自治体シティプロモーション成功に必要な三つの取り組み

シティプロモーション成功の三つのポイント

目次

自治体シティプロモーションの「成功事例」とは

元々広告代理店の人材育成からスタートした弊社ではありますが、最近はシティプロモーション関連のお問い合わせを自治体様から頂くことが多くなっています。無論すべてのお話について弊社が携わっているわけではありませんが、そんなお話の中でやはり弊社としてはしっかりとお伝えしておくべきことがあろうかと思い、今回のBlogを記しています。

特にシティプロモーション関連のお問い合わせやご相談をいただく際に弊社としていつも議論になるのが実は「成功」の定義です。

一つたとえ話をしてみましょう。「シティプロモーションのため、市の(町の)PR動画を作りました」というケースがあったとします。ただ、その動画を作ったことは、何をもって「成功」となるのでしょうか?ある町のプロモーション動画がバズりました!ということはもちろんあります。ただ、それが「シティプロモーション」に貢献しているかどうかは全く別の話なんです。無論動画ですので見てもらえなければ意味がありません。したがって「動画再生回数」は多ければ多いほどよいでしょう。

ただ「見られただけ」でよかったんでしたっけ?というところをぜひもう一度深く考えてほしいのです。

シティプロモーションのそもそもの意義

「シティプロモーション」を分解してみましょう。「シティ」とはその名の通り、市や町、つまり自治体であると言ってよいでしょう。「プロモーション」とは英語で言えば販促活動的な営みを指します。すなわち「シティプロモーション」とは「自らの街を売り込む」ことにつながりますし、そこには一定の経済的なメリットが存在するべきでしょう。

「シティプロモーション」の一環として「ふるさと納税」で「返礼品をアピールする」というのは、市や町の名前を覚えてもらうことに留まらず、寄付額としての経済的なメリットが存在します。

「シティプロモーション」の一環として「観光地の情報」を「動画でPRする」というのは、最終的に市や町に訪問させることが出来れば経済的なメリットが存在するわけですが、ここで注意したいのは「動画を見た」段階ではまだ「経済的なメリット」は発生していません。そのあとに来訪をしてもらう、という行為につながって初めて「経済的なメリット」が存在するわけです。

つまり上の段落で書いた「動画でPR」の話に戻せば「動画を作った後にどのような効果があったか」までを落とし込まなければシティプロモーションの「成功」は測ることが出来ません。手前みそで自画自賛かもしれませんが、弊社のこだわりはこの「成果」の計測をしながらシティプロモーションの改善を実現することでもあります。

シティプロモーションに取り組むために準備するべき三つのポイント

改めて、弊社として様々なシティプロモーションの伴走支援を実施してきましたが、それらの事例を通して押さえておきたい三つのポイントをご紹介しましょう。

1. 「態度変容」を意識した施策になっているか

まず最初のポイントが「態度変容」を意識した内容になっているのかどうかです。言い換えれば「手段が目的にならないようになっているか」を徹底して考える必要があります。

上にもある通り「動画」を見てもらうことはあくまでも「手段」でしかありません。その動画を見てもらっただけでは、市や町に経済的なメリットは存在しません。その動画は「誰」をターゲットに「どんなこと」をしてもらうために作られたものなのか、そこをしっかり落とし込まなければ「なんかかっこいい動画を作った」であったり「なんか面白い動画でバズった」以上の効果は見込めません。

ウェブサイト制作や動画制作など、あらゆる施策は「手段」でしかありません。何のための取り組みかを明確にし、施策の内容をブラッシュアップすることがまず重要です。

2.「態度変容」を「数的な指標」に落とし込めているか

次に必要なことが「数的な指標」を設定することです。動画を見てもらうこと、新しいサイトを見てもらうこと、それらにおいて明確な数値目標を設定することが非常に重要ですし、それらの数字は「態度変容」に直結(または関連)することが必要になります。

例えば「シティプロモーションのサイトを作った」としましょう。そしてそこから「町に来てくれる人を増やしたい」というのが目標だった場合に、ウェブサイトの滞在時間が5秒のユーザーをたくさん集めてもおそらく意味はありません。訪問先としての情報収集がなされるためには少なくとも2ページは見てほしい、であったり、3万人に旅行に来てもらうためには100万ユーザーぐらいはサイト来訪を実現したい、という数値目標を設定することが必要です。

この数値目標を設定することにより、実施している施策の現状がわかりますし、どこにテコ入れが必要かもわかります。数値目標が設定されていなければ、現状の施策の良し悪しもわからないのです。

3. 計測環境の設定ができているか

そして手前みそではありますが、やはり計測環境を整えることも必要です。

弊社は元々計測環境の構築や分析環境を作ることが得意な会社ではあるわけですが、自治体のシティプロモーションにおいて、計測がしっかり整っているケースはやはりまだまだ少ないのが現状です。

ウェブサイトの計測設定や動画閲覧状況の数値把握などができておらず、せっかく目標数値を設定してもそこに向かいための改善ができない状況になっているケースが、自治体のマーケティング現場ではほとんどだと言っていいでしょう。常に現状を把握し改善を続けるためには計測環境の構築は必須な取り組みだと言えるでしょう。

シティプロモーションで税金を溶かさないために!

某自治体のシティプロモーションの担当者とお話しているとき「税金を溶かすわけにはいかない!」という発言が出たことがあります。シティプロモーションは市民や町民の税金を原資に、自治体にさらなる経済効果をもたらすための仕掛けづくりだと言い換えてもよいでしょう。

もちろん移住や旅行などは、最終的に自治体の努力だけですべてを解決することはできません。地元の観光業の方々、移住については市民の方々との連携が必要です。ただ、その連携を有効に作用させるためにも、シティプロモーションの取り組みにおいては「成功」の定義をしっかり定め、そして計測をしながら改善を続ける努力が必要であることは間違いないでしょう。

弊社事例として発表している栃木県真岡市様の取り組みではすでに市に対する経済的な効果も明確に計測がされている状況ですし、来年以降もまだまだ伸びしろがあることがわかっています。弊社としては今後も地方自治体として住民に還元できるシティプロモーションの取り組みをサポートできるよう、様々な情報発信を続けていく所存です。

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