栃木県デジタルマーケティングアドバイザー選定についての想い

栃木県デジタル戦略課とsembear合同会社の取り組み

今回の取り組みについての解説

先ほどリリースを出しましたが、弊社は令和五年度、栃木県庁におけるデジタルマーケティングのアドバイザリー業務を担当することとなりました。改めて今回の取り組みについて、代表として弊社の想いとなどをご説明させていただきたいと思います。

まず今回の取り組み、以下のように大きく三つの軸が存在しています。

  1. 栃木県が取り組んでいるデジタルマーケティング事業に対するアドバイザリー
  2. 職員の皆様に対するデジタルマーケティング研修
  3. TapClicksを用いたデジタルマーケティング施策の可視化

これは、事実上弊社が提供しているサービス群をほぼすべて提供する形となり、かつそれぞれにおいてかなり高度なデジタルマーケティングの取り組みを推進するものです。

弊社が考える「デジタルマーケティング人材育成」

弊社は「デジタルマーケティングの人材育成」の会社です。確かにサービス単位で言えば「研修」の事業が最も大きな売り上げを締めていますし、そういう意味では「研修会社」という見え方もできると思います。

ただ、弊社が考えている「研修」とはあくまで「デジタルマーケティングの人材育成」における一つのプロセスでしかありません。はっきり言えば「研修」だけの「人材育成」では効果は限定的です。研修で得た知識、考え方、姿勢を業務の中で常に発揮し、そして業務を通した成長を実現しない限りは本来の「人材育成」は非常に難しいことは間違いありません。

弊社が提供しているOne on One研修は研修期間が4カ月間にわたる「伴走型」の研修スタイルですが、これは「教える」ことと「実践する」ことを反復練習することで知識と技能の定着を促すためです。言い換えれば弊社のOne on One研修は通常の研修というよりは「伴走型のコンサルティング」にかなり近いと言ってもいいでしょう。

そして弊社の結論としては「デジタルマーケティングの人材育成」で必要なことは「研修」だけではなく、その研修内容を定着させるための「伴走」、そしてその後自走する環境整備としての「可視化」までがセットで必要である、ということでした。

自治体職員による「デジタルマーケ」の推進

そして今回の取り組みについてです。

上記にもある通り「デジタルマーケティングの人材育成」を掲げている弊社としては「研修」と「伴走」と「可視化」までがセットで必要である、という結論に至っているわけなのですが、今回の栃木県デジタル戦略課様との取り組みはそのすべてが含まれています。完全にフルパッケージでの提案であり、これを受け入れていただけたことが、まず社長としては少し誇らしく、そしてほっとしているところでもあります。

今回の栃木県庁様との取り組みの中で、もう一つ説明したい思いがあります。それは「地方公務員って実はすごいんだぞ」ということです。

弊社のインタビューにもお答えいただいた真岡市の小池さんは言うまでもありません。他にも事例に名前は出ていませんが宇都宮市役所の担当の方も「俺たち公務員だってちゃんと教えてくれればデジタルを使いこなせるんだ!」と言っていただけたこともあります。そして今回の栃木県デジタル戦略課の皆様は、実は非常にスキルフルで変な代理店などよりもデジタルマーケティングの実務についての理解があります。

無論我々が今までお話をさせていただいた方々か「スーパー公務員」的な方だったことも否定はしません。ただ弊社と取り組んだことで「デジタルマーケティングを使いこなせる」公務員さんが増えたこともまた事実です。県であれ市町であれ、自らの地域の現在と未来に対しての情熱を持った方であれば「デジタルは決して難しいものではない」はずですし「地方をデジタルマーケティングで活性化」させることは机上の空論ではないことを少なくとも弊社が取り組んだ自治体様では実証ができたと思っています。

「デジタル」の専門人材化を防ぐために

そして最後の想いです。自治体領域では、しばしば「デジタル専門人材」という言われ方をすることがあります。もちろん専門領域があることは事実ですし、その言葉を真っ向から否定をするつもりはありません。我々も「専門人材」であることは間違いありませんしね。

ただ、社会のデジタル化がここまで進んでいる状況で、「デジタルの専門人材」という言葉をあまり軽々しく使いたくはないという本音もあります。もはやデジタルマーケティングは「専門領域」というには一般化しすぎています。インターネット広告の予算がマス四媒体の合計を抜き去り、さらなる成長が続いている現状において、少なくとも広告領域においては「デジタル」は「専門領域」ではなく「主戦場」ですし、これを知らないと仕事になりません。

それと同様に、住民に向けた情報発信やふるさと納税、観光誘客などのプロモーションにおいて、デジタルが中心になっている以上、自治体職員にとって「デジタル」はもはや主戦場になっていると考えています。弊社が昨年宇都宮市様、真岡市様と取り組んだ未発表事例があるのですが、その内容は「職員のデジタル発信能力を向上する」というものでした。つまり弊社がご一緒させていただいている自治体様にとって「デジタルでの情報発信」は専門人材がやる仕事ではなく、全職員が身に着けるべき能力になりつつある、ということが言えるかと思っています。

今回の栃木県デジタル戦略課様との取り組みは、上記にあるような様々な弊社の想いが結実した、本当に社としてのプライドをかけた事業となっております。

と同時に、栃木県庁デジタル戦略課様との本取り組みに加えて、宇都宮市様、真岡市様などレイヤーも規模も違う自治体様がデジタルに取り組み、そして数値で現れる結果を出していることは、他の自治体様においてもある程度は参考になるかとも思っています。言葉は悪いですが「疲弊する地方」というステレオタイプを打破するきっかけぐらいにはなるのでは、とも思っております。

これらの取り組みをきっかけに、日本全国津々浦々でのデジタルマーケティングの普及と実践に少しでも貢献できれば、弊社としてはこれ以上の喜びはありません。