デジタルマーケティング人材育成で一番必要なポイント

One on One研修ももうすぐ10周年

先日とある打ち合わせで、弊社が提供しているOne On One研修が、もうすぐ10年を迎えるんだということに改めて気づきました。10年もやっていれば一つの芸みたいな感じでもありますが、改めて弊社的な「デジタルマーケティング人材育成論」を言語化してみようと思います。

sembearの研修で最も大事にしていること:論理性

いきなり結論から書きますが、弊社のOne on Oneトレーニングで最も重視しているのは「論理性」です。弊社のOne on One研修は特に講師と生徒が一対一で同じ課題に対して向き合うスタイルで臨んでいます。ですのでちょっとした矛盾やほころびは徹底的に指摘されるという、講師側も神経をすり減らしますし、生徒側も緊張感をもって受講するという、かなりハードなものではあります。

デジタルマーケティングは何であれ数値が出てきます。インプレッション、クリック数、コンバージョン数という数字を漫然と見てCPAが良い・悪いという話をすることは原則弊社が提供している研修では認められません。CPAが良いならよいその理由、定義、そしてその背景にある仮説までセットで説明することを常に求めています。

「論理性」はとても大切な考え方です。数値で計測ができるデジタルマーケティングではその数値についてできる限りの客観的な評価が必要になります。その客観的な評価を下すうえで論理性は必要不可欠なんですね。感情論や感覚論が入ってくると「結局それってあなたがそう思ってるだけですよね?」というものにしかなりません。

論理を突き詰めて理想解を作る

そして弊社のOne on One研修でもう一つ大事にしていることは、自分の論理を徹底柄的に磨き上げた「理想解」を作り上げることです。現状に甘んじて中途半端なデジタルマーケティングの施策を作ることは「現実解」ではあるものの、同時に「逃げ」でもあると考えています。

例えば自分が徹底的に考えたアイデア(これは別にデジタルマーケティングに限らないですが)を実現しようと思ったら3億円かかる、という話になったとしましょう。でも実際には1億円しか予算がありません。こうなってくると「理想解」から「現実解」に落とし込む必要があります。つまり自分のアイデアを構成する様々な要素にプライオリティをつけて実行するものを絞り込むプロセスが出てくるんですね。

でも初めから現実解を前提にしてしまうと、そもそも理想解がどんなもので、そこから何をそぎ落としたのかがわかりません。こうなると現実解であるアイデアを実行して失敗した時に「何が必要だったのか」という振り返りが「現実解」の範囲でしか考えられません。最初に理想解まで作っておくことで、反省できる範囲が増え、そしてそれが自分の成長の糧になるんですね。

未来は誰にもわからないから

どんなにアルゴリズムの精度が上がろうと、Big Dataによる予測モデルが優れていたとしても、残念ながらどんなことも最終的には「やってみなければわからない」のが現実です。でも「やってみないとわからない」というのを言い訳にして「考えなしにトライする」ことはそのあとの成長につながりません。

徹底的に論理を突き詰め考えて、理想解を作る。そこから現実的に落とし込んだトライは漫然と「やってみただけ」の経験の数百倍の経験値が得られると信じていますし、弊社のOne on One研修を卒業した方々が現在も第一線でバリバリ活躍している姿を見ると、そこまで的外れではないんだろうと思います。