人材育成組織開発

「デジタルマーケティング組織開発」についての想い

「組織開発」の背景

一言でいえば「個人の努力でまかなっているデジタルマーケティング」はもういい加減やめにしようよ、というメッセージなんです。

デジタルマーケティングでもデータマーケティングでも運用型広告でも、言葉はそれぞれありますが、それが企業の中で「個人的な努力」でまかなっているケースは意外に多いと思います。中小企業だとほとんどそうだと思うし、大企業でもそういうところは多いんじゃないかと思います。確かに短期的な意味でいえばそれは一つの解決策なんだと思いますが、その「個人的な努力」に甘えていては組織としてはダメなんだと思うんです。

特に弊社の場合は、元々がアドテク業界人で「知らないことを知っている」人として頼られていることも多いので「個人的な努力」をしている人たちから質問を受けたり相談を受けたりすることが多いのです。それに対して有償でも無償でもできるだけ応えてきたつもりではあるんだけれど、その度にいつも「その個人的な努力をどうキャリアパスにつなげればいいのか?」と悩んでいました。「個人的な努力」って本人にはいいんですよ。自分の売りを作ることにもつながるし、転職市場だけを考えれば決して悪い話じゃない。でも「キャリアパス」ってのは本来もっと多様で、別に転職だけが前提じゃない。

その反面「個人的な努力」はあくまで「個人的な努力」であって組織として何かしらのサポートがあるものではなかったりする。無論会社としてのオーダーなり指示があって「個人的な努力」を続けている人もいるかもしれないし、それはおそらくまともな方向性だとは思う。ただ、会社としての具体的なオーダーや指示がないまま「○○やっといて」と放り投げられて、そのあと個人的な努力を繰り返している人にとっては「徒労」に終わる可能性すらあるわけです。だって組織の観点から言えば「個人的な努力」でしかないからその努力を評価すること自体ができない。これだと不幸の拡大再生産にしかならないと思うんですね。

だからこそ「組織」として「個人」の努力を確認する、もっといえば努力のオーナーシップを組織として担う、ということをやらなければいつまでだっても「個人的な努力」に依存した「デジタルマーケティング」になってしまうと思っています。

「なにやってるかよくわからない」をなくす

まあ上のパラグラフに書いた問題意識は2013年ごろからずっと思っていて、かれこれ数年モヤモヤしていたんだけれども、この根源にある問題って「デジタルマーケティングって新しいから良く分からない」という組織が多いことだと思っています。または「リタゲやればいいんですよ!」とか「SEOやればいいんですよ!」という変なバイアスが先走ってしまい「どうやればいいのか分からない」状態が定常化していることと思うんですね。

そして「個人的な努力」もっといえば「自己犠牲的な努力」でなんとか状況を打破しようとしているんだけど、組織としては「なにやってるか良く分かってない」し「リタゲやればいいんだよ!」と思っている組織においてはそもそもリタゲが効果的ではない状況だったりすると「やったことが無駄」で終わってしまい、現場の疲弊はもちろん、キャリアパスを描くうえで必要な「何をやって自分は先に進めるのか」がわからないので、すべての努力が「徒労」になってしまう。

だからこそ今回の弊社の「組織開発」については以下の5点に特化する形にしました。

  1. デジタルマーケティング部門が目指すべき姿の定義
  2. デジタルマーケティング部門が目標とするべき数値の定義とKPIの策定
  3. 上記を実現する上で必要なスタッフのスキルセット策定
  4. 必要なスキルの習熟度の判定に用いる評価軸の構築
  5. 評価軸の運用支援と自走サポート

弊社の今回の「組織開発」の主軸は「目指すべき姿(Shared Value)」を定める、そしてそのShared Valueが意味する「数値」を作り上げる、そしてその「数値」から妥当な施策とそれを実現するためのスキル(Skill)を定義する、というところにあります。そして習熟度の判定(System)をセットにすることで、組織としての先祖がえりを防ぐ、というところにあります。ちなみに組織の7sって概念を参考にしているのでこちらのリンクもセットでご覧ください!

単に個人の技能を磨き上げるのではなく「組織として必要なスキルを定義したうえで、それを磨き上げる」という流れを明示化しない限り、組織としてデジタルに向き合えないと思っているのです。

「デジタルに向き合える組織」

最後に、いささか抽象的な表現ではあるのだけれど、今回目指しているのは「デジタルに向き合える組織」を作ることです。実はこれはいささかの劇薬でもあると思っています。

コロナ以降「デジタル化の推進!」とか「DXの推進!」とかいろいろなところで言われているのは皆さんご存じのとおりです。ただそれは、ある意味既存の業務をスクラッチする、という意味を本来内包しているのです。つまり「既存業務しかわからない人」はダメなんだよ、ということにつながっています。

組織の7sを定義したマッキンゼーはDXを以下のように定義しています。

1. 包括的なデジタル変革: 組織の構造変革におけるデジタル活用、デジタルを軸にした戦略と抜本的な組織変革の推進
2. 顧客体験のデジタル化: デジタル活用による顧客ジャーニーの再構築、デジタルマーケティングやパーソナライゼーションを通じて顧客の囲い込み、啓蒙
3. オペレーションの弾力性: オペレーションでのアナリティクス活用 ( 例 : 予防保全、生産性改善 )による弾力性の強化やバックオフィスのプロセスの最適化・自動化
4. 新規ビジネス構築: デジタル技術を活用した新規ビジネスの立上げや新規顧客セグメントの開拓
5. スキル再教育と組織能力構築: デジタルに必要な組織能力構築、またそのための社内人材のスキル再教育、デジタル人材が活躍できる制度や仕組みの構築
6. 組織全体の敏捷性: アジャイルオペレーティングモデルの導入、必要な仕組みの構築
7. コアテクノロジーの近代化: クラウド・API 技術の活用、ITコストの最適化、データアーキテクチャーやデータ変革の実行

自社の中で、DX のどの塊が短期的・中長期的に重要になっていくのかについて、共通認識を持った上で、DX の取り組みを実施することが望ましい

こちらにもある通り、DXの推進は「組織変革」なんです。デジタル化しても業務が変わってない、ってのは本来あり得ないんですよね。そしてその業務をこなすための「個人的な努力」への依存は害悪でしかありません。

sembearとしては一つでも多くの「デジタル組織」の実現に貢献する所存ですし、その決意表明のBlogでございました。