デジタルマーケティング初心者が陥りがちな罠

とりあえずやってみなくちゃわからない、の罠

今回は、ちょっと(弊社の取り組み的に)難しい内容がテーマです。というのも「とりあえずやってみよう」とか「やってみなくちゃわからない」っていう言葉自体は否定しないんだけど、それって「戦略」とか「顧客目線」を置き去りにして「やってみよう」だとだいたい失敗するからなんですよね。

まず、声を大にして言いたいのが、デジタルマーケティング初心者(マーケティング初心者でも同じかもしれない)は自社の戦略顧客像を徹底的に理解することから始めたほうがいいと思うんですよね。

自社の戦略ってのは、実は結構難しいです。競合に対する自社の立ち位置や市場トレンド、自社の提供価値や特徴なんかも理解しないと戦略なんて立てられません。一つの例だけれど、うちが「sembearコーラ」っていう商品を売っている会社だとしたら、コカ・コーラと全面的に戦っても絶対負けます。コカ・コーラのマネして素敵なTVCMやっても失敗するに決まってるんです。スカッと爽やかな印象のコカ・コーラに対して、機能性を売りにして戦うとか、sembearコーラは苦くてご飯に合う!っていう訴求にしてノンアルコールビール市場狙うとかって話になるんですね。ほら、これだけですでに「やっちゃだめ」なことがいくつか出てくるでしょ?

自社の顧客を理解する、というのもやっぱりそんなに簡単じゃありません。「だっていろんなお客さんいるから」と思っている人もいるでしょう。でも、自社の酷悪はどんな人なのか?どこで知ってもらったのか?どういうきっかけて興味を持ってもらえたのか?というところを徹底的にヒアリングするなり、分析するなりしてみると、段々と顧客の「像」が固まってきます。そしてそこで得られた情報から(まだ見ぬ)顧客像をイメージするんです。まあペルソナという言い方のほうがわかりやすいかもしれませんけど。

なんでこれらが大事かって「とりあえずやってみよう」の施策を決めるためには、これが大事だからです。

SEOがいいらしい!リタゲがいいらしい!って騒がない

で、デジタルマーケティング初心者にすごく多いのが、戦略とか顧客像を事を考える前に「何をやればいいんだ?」と考えてしまうことなんです。

確かに少し調べればSEOなりリスティングなりリタゲなり、という「手法」の方法がわんさか出てきます。そしてWebマーケティングの経験があまりない人にとってはおそらくそれらは「なんかすごいじゃんこれ!!」と見えてしまうんだろうな、と思うんですね。

でもね、上に書いたとおり「自社の戦略」と「自社の顧客」に合わない手法を選んだって失敗するんです。もっというとSEOやリスティングのキーワードの選択は自社の戦略と自社の顧客を理解しなければ適切なものがわかりません。ソーシャルメディアだって同じです。facebookやTwitterには色々なメニューがあります。それらのどれを使うべきか、どういう画像で広告を出すべきか、っていう話も「戦略」と「顧客理解」ありきの話です。

最初の結果で一喜一憂しない

まずデジタルマーケティング初心者の方に理解してほしいのは、デジタルって面倒です。地道です。お湯かけて3分で結果が出るようなものじゃありません。99.99%の事例は地道に改善を繰り返した結果です。そしてそのためには計測環境を整備することが最重要でもあります。

実際あった話で言えば「うちはSEOが超うまく行ってる、アクセスが増えた!CVは増えてないけどPV/Sessionsが3ぐらいあるから大丈夫だ!」という会社さんがありました。でもこれ、計測ミスだったんです。実際はページ滞在時間は20秒もなく、もちろんほとんどが直帰でした。

計測って怖いんです。だってデジタルマーケとかWebマーケティングって「数字で結果がわかる」のがすごく良い点なんですよ。ただ、その数値がずれていたら、間違った解釈と間違った施策しか出てこないんです。

そして正しく計測環境が整備できたことが前提で、初めて結果の数値を見ることができます。その数値を見て改善していくわけですが、ここでも「戦略」と「顧客像」がなければ数値の解釈ができませんし、どう改善するかも迷走します。

初心者からの脱却!

実はデジタルマーケの自称経験者でも上に書いたようなことを言ってる人は非常に多くいます。事業成長に貢献するデジタルマーケティング、というのは、実は本当にめんどくさく、泥臭く、そして地道な努力です。

ただ、別の角度から見てみると「戦略が明確」「顧客像を把握できている」そういう会社ってだいたいすでにマーケティングが成功しているんです。つまり初心者云々とかっていう問題でもなかったりするんですよね。つまり、初心者というスタート地点から会社の戦略と顧客像を作り上げる、という大事な仕事を実践できる、というのはすごく良いチャンスでもあります。

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