「運用負荷の軽減」が広告代理店の重要課題である理由

運用型広告負荷軽減

負荷を減らすことは最重要課題

運用型広告あるある「頑張って解決する」風潮

のっけから煽りまくった書き出しですが、この煽りを完全に否定できる人は業界の中では相当に少数派だろうとも思います。多少は弊社のポジショントークであることも否定はしませんが、それでも運用型広告(デジタルマーケティング全般でもおそらく同様)の現場は「現場の自己犠牲的な努力」を前提にした組織運営になっているケースが決して珍しくありません。

これは他の業界でどうなのかはわかりかねますが、運用型広告の場合、運用者にとっては仕事に中毒性があることが、これまた否定のできない事実で、多少運用負荷が高かろうが「頑張って解決」することが楽しかったり、それが人によってはやりがいとか働き甲斐だったりもするのですよね。ただ、その結果としてなかなか「運用負荷」が下がらないという現状があることもまた事実ではあるわけです。

それでも「運用負荷の軽減」は絶対に大切

先日弊社のクライアントさんでもある某大手代理店さんの育成担当の方とマネージャーさんと話をしていた時「我々の若いころは何でもやってましたよね」という、いささか老害チックな話をしていました。当時(今から15年以上は前かしら・・・)は運用型広告なんてのは「アマゾン奥地の未開の地」でしかなくて、手に鉈をもって草木を切り分けながらずんずんと進んでいかなければならない、それはそれはブラックな時代があったわけです。もちろんそんなこと今の時代で肯定されるわけがありません。

むしろ当時に比べて自動最適化やノウハウが広く浸透してきた現代であればこそ「運用負荷」を下げることはより重要になっています。というのはこれだけ運用型広告・デジタルマーケティングが普及した現代においては「クライアントのバリエーション」がかつてないほどに広がっているから、なんですね。

昔と今の最大の違い「クライアントのバリエーション」

昔々、それこそまだリスティング広告だけが運用型広告だった時代なんてのは、そういった広告を使うクライアントの業種が限られていました。代理店さんによっては業種カットで部門を作ってその業界ごとの専門性を高めていく、なんてことにも取り組んでいたと思いますし、今でも取り組んでいる会社さんもいらっしゃるでしょう。

確かに現状においても運用型広告の主題は「ダイレクトレスポンス」がほとんどです。いわゆる「獲得系広告」ってやつですね。そうなるとネット上で獲得、つまりコンバージョンが起こりやすい業種の広告主が黎明期には参入してきました。自分も人材系とか結構何社も運用しました、あと金融系とか。スマホが登場してからはゲームとか電子書籍系なんかのアプリ系、いわゆるユーザー課金系の広告主が一世を風靡したこともあります。

もちろんこれらの業種の広告主さんは未だに運用型広告のメインストリームだったりするわけなのですが、それ以外の広告主さんの業種がべらぼうに増えている現状があるわけです。

実際にYoutubeの広告とかを見ていてもダイレクトレスポンス領域ではない広告がバンバン出る時代になっているわけで、まず運用型広告に期待される目的がダイレクトレスポンス領域だけではなくなった、ということも原因の一つだと思います。Web上でCVがなくても運用型広告をやるべきだ、というクライアントが増えたわけですね。

さらに言うとコロナ禍によりおうち時間を拡充するようなサービス、例えば食事の宅配だったりオンラインフィットネスサービスだったりという新規性の高いサービスが生まれ続けている、ということも背景にあるでしょう。

つまり我々のような老害が現場でバリバリ働いていたころよりも

  1. クライアントそのものの種類(業種の種類)という意味でのバリエーションが増えた
  2. クライアントが運用型広告に期待する効果のバリエーションが増えた

という市場変化が起こっているように思うんです。

「社会に対する感度」が今までよりも大切な時代

実際に上のようなこと以外から言っても様々な技術革新により、日々新しい仕事、会社、業種が生まれている現代において「世の中のトレンド」をいかにちゃんとわかっているか、少し硬い言葉でいえば「社会に対する感度」が運用型広告に携わる人にとってとても重要になっていると思うんですね。

実際にOne on One研修をやっていると「クライアントのビジネスが良くわからない」と悩んでいる運用者は意外に多かったりします。これ、実はかなり運用型広告の効果改善においては致命的な問題だと個人的に思うんです。結局「クライアントのサービスの良さ」がわからないとキーワードであれT/DであれLPであれ、訴求であったりトンマナであったりというところの定性的な領域でのアイデアが限られてくるんですよね。もっと言うと媒体の最適化機能を使うために正しくCVを計測するとかアカウント設計をちゃんとやる、とかっていうレベルでも、ここのセンスって実は大事だと思っています。

じゃあその「クライアントのビジネスが良くわからない」ことがなぜ起こるのか、というのが前段にある「バリエーションが増えた」ことにあるのではないかと思うんです。つまり普通に生きてて常識的に知ってる知識で対応できるクライアントだけではなくなった、という現状があるように思うんですね。そしてここの対応力を高めるには「社会に対する感度を磨く」ことが必要になった、と言えるのではないかと。

となるとやっぱり「運用負荷を下げる」ことが大事なんですね。本を読んだり新聞を読んだりニュースを見たり、という「社会に対する感度を磨く」時間をしっかり確保しないと、対応できないクライアントにいずれ相対することになりかねないわけです。

サービスレベルを維持しつつ「運用負荷を下げる」には?

とはいえ、安易に「運用負荷を下げる」なんてことをすると、当然クライアントへのサービスレベルは低下します。となると必然的に「今の運用レベルを維持しつつ業務削減を実現する」ことを考えないといけません。そこで見ていただきたいのが以下のグラフです。

運用型広告負荷軽減

このグラフは弊社が提供しているデジタルマーケティング専用レポーティングツールであるTapClicksを導入いただいたGMO Nikko様の事例です。ご覧いただいた通り「レポーティング稼働」を大幅に削減していることがわかります。ここでいうレポーティングとはいわゆる分析用の配信レポートのことだけではなくクライアントに「報告する業務」としてのレポーティングの両方の意味です。

「ダウンロード→エクセルで開く→整形→パワポに張り付ける」という定型的な作業をプラットフォーム側で完結することで、相応にレポーティング稼働、つまり「運用負荷の軽減」が実現することがわかります。もちろんこれは単に導入するだけでは実現しません。現状の業務を因数分解し、どのパーツをどのように自動化するのか、という設計能力あっての賜物です。もちろん弊社のCS担当もご協力をさせていただいております。

まあ、会社のBlogなので最終的には営業的な締めにはなるわけですが、最後にもう一言だけ。

いろいろ書きましたが、やっぱり今バリバリ働いている現場の運用者の方には、社会が今後どのように変化していくのか、というところの勘所は磨いてほしいとも思うわけです。VUCAという将来が見通しづらい世の中を生きてく中で「社会に対する感度を磨く」ことは自身の「運用スキル」を磨くことと同様に大事なことですし、「社会に対する感度を磨く」ことで「運用スキル」が磨かれることにもつながると弊社は考えている次第です。

「負荷を減らして価値を出す」TapClicksのご相談についてはこちらから!